金持ちのボンボンと、美女こそ起業せよ。

「会社を売却することを前提に起業をする」という斬新な働き方を提案する、正田圭さんの新刊『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』の特別掲載、第18回。起業に関するQ&Aは続きます。「起業よりも仮想通貨の方が儲かるのではないですか?」「親が10億円持っているのですが、それでも自分は起業すべきでしょうか?」。正田さんの答えは?

━「10億あれば一生安泰」の嘘━

Q 「10億あれば一生安泰」って話を聞きました。
  10億円あれば一生遊んで暮らせますか?

「もし10億円あったら一生遊んで暮らせる。10億円を不動産や安全な金融商品に投資しておけばよい。都内でも年3%ぐらいの利回りはある。そうすれば年間3000万円入ってくることになり、この利子で余裕で暮らしていける。10億円あれば人生一丁上がりのようなものだ」

 29歳の時に資産が10億円を突破した僕が、これに対しては自信を持って回答させていただく。
「10億あれば一生安泰」は大きな嘘だ。  大金を持ったことのない人に限ってこういうおかしな発言をする。しかし、そんなことはありえないと断言しよう。だいたい、利回り3%なんて誰が保証してくれるのか。不動産の価値が暴落することだってある。確実に儲かる方法なんてどこにもない。

 お金は何かしらを達成するための「手段」である。お金そのものが何かをもたらしてくれることはない。お金を儲けた人は、それを活用してチャレンジしたり、大きな投資をしたりする。お金はそのためにある。

「パーキンソンの法則」でもいわれるように、支出は収入の額に達するまで膨張する。お金は持っていたらあるだけ使ってしまうし、なくなってしまう可能性もあるものだ。「このお金さえあれば一生困らない」なんていう魔法のような話はない。お金はなくなるものである。そのことは肝に銘じておいてほしい。

Q 仮想通貨で10億円を手にしたという話をよく聞きます。
 起業よりも仮想通貨の方が儲かるのではないですか?

 最近は、ビットコインをはじめとする仮想通貨のニュースが絶えない。1週間で倍になったとか、何年で何十倍になったとかいう話で一喜一憂している人たちをよく見かける。
 でも、よく考えてみてほしい。確かに、7年前にビットコインを10万円買っていたら、今は200億円かもしれないが、100万円で起業して7年後に一部上場していたら、1000億円になっているかもしれない。上昇率は、起業の方が上とも言える。

 ビットコインは何もしなくても、寝ていても値上がりしたなんて言う人もいるが、人間、寝て待つだけほど難しいことはない。すぐ利益確定のため換金したくなったり、他の仮想通貨に乗り換えたりしたくなるのが人間だ。自分がプレイヤーとなって熱中していたほうが、よほど迷うことも少ないと思う。また、自分で作った会社は自分が一番理解しているだろうから、そういう意味でも投資の理にはかなっている。
 よって、僕は仮想通貨よりも起業を勧める。

 ちなみに、仮想通貨とどのように付き合っていけばよいかと聞かれることが多いので、ここで僕なりの考えを話す。
 仮想通貨が通貨として市民権を得てきているのなら、流通比率に応じて持つのが正しい。為替のように、それ単体で利益を生み出さないものは、それで儲けようとしてもただの投機にしかならない。世界中の通貨に対する仮想通貨の流動比率が5%なのだとすれば、あなたの全財産が100万円なら5万円を仮想通貨にしておけばよい。

 世の中が、例えばドル50%、ユーロ20%、円20%、元5%、仮想通貨5%だとするならば、ドル50万円、ユーロ20万円、円20万円、元5万円、仮想通貨5万円分を持っておけば、何が上がっても下がっても得も損もしない。これを1年に1度、ないし3年に1度リバランスするだけだ。
 金儲けは一生付き合っていく技術だ。自分の力でコントロールしよう。

Q 親が10億円持っているのですが、それでも自分は起業すべきでしょうか?

 親の金を起業に使っている起業家を世の中は批判する傾向にあるが、持っているものはなんでも使うのが鉄則だ。親譲りで足の速いサッカー選手や、親譲りで体が大きい格闘家を批判する人はいないのに、なぜそこだけ批判するのかわからない。
 親が金持ちなのは、自分の持って生まれた運の良さであり、それもまた才能である。また、親や祖父が立ち上げた事業が、今の時代でも有効に儲けさせてくれる保証はない。親が援助してくれるうちに、どんどん援助してもらったらよい。

 親の会社の中で起業させてもらえば、損しても親の税金対策になるし、税理士だって親が契約しているところをそのまま使わせてもらえばよい。事業が軌道に乗ってから親元からスピンアウトしたほうが、よほど経済合理性が高い。

 また、金持ちのボンボンは、事業の発想が面白い。僕みたいな貧乏人の家の子ではないから、金儲けに対する執着心が少ない。そのためか、マネタイズのポイントを後にずらした面白い収益モデルを思いつきやすい傾向にあるのだ。
 そして、お金にならなさそうだけど面白いコンテンツが出来上がってきて、人が集まり、結果として金になる、みたいな事業になる場合が多い。

 もちろん、ボンボンの弱点もある。苦労したことがない分、事業計画が楽観的過ぎる。
 しかし、失敗してもまた親から調達し、何度も再起業しているうちに本人もだんだん学んでくる。そしていつの間にか、その諦めない姿を見ることで、親以外のスポンサーも増えてきて、そんな中で事業も立ち上がっていく。育ちが良いため、みんなから好かれやすいのだ。僕の周りにも金持ちのボンボンの2代目、3代目は多いが、みんなそろいもそろってこんな感じだ(今のところ例外は見たことない)。

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サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方

正田圭

本書は「会社を売却することを前提に起業をする」という斬新な働き方を提案します。「起業はハードルが高い」「会社を売るのはさらに難しい」と思われがちですが、「会社を作って売却するのは、世の中に数ある儲け話の中で、一番確実で、一番地に足の着...もっと読む

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Singulith >「あなたを資産として考えた時、「短期保有」のほうが賢い選択です。もっと言えば、レンタルで十分。保有する価値がありません。年収4000万円を稼ぐ人はバカではないので、あなたとデートすることはあっても、結婚することはない」  https://t.co/ghiezRsG8k 2年以上前 replyretweetfavorite

ririshihaori 「10億円あれば安泰は大きな嘘」10億円を現金で持ってる人は少ないだろうし、3%で運用するって結構大変。でも40歳でポンと現金10億円が手に入り、100歳まで生きても月140万円は使えると思えば安泰。 https://t.co/jusBWSBLIL 2年以上前 replyretweetfavorite

ikb 『仮想通貨が通貨として市民権… https://t.co/cystu4vHyk 2年以上前 replyretweetfavorite