意外と多い、知られざる「連続起業家」たち。

「会社を売却することを前提に起業をする」という斬新な働き方を提案する、正田圭さんの新刊『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』の特別掲載、第15回。創業から売却までが長くて2年程度、20〜40代の若手起業家による事例を集めました。ご覧あれ!

━意外と多い、知られざる「連続起業家」たち━

 第2章では、起業して会社を売却し、お金と時間を手に入れることのメリットについて説明させてもらった。このような連続起業家は、あまり知られることはないが、実はたくさん実在している。ここに、先ほど紹介した「ブイエスバイアス」以外の、短期でのM&Aエグジットの事例を載せておく。
 いずれも創業から売却までが長くて2年程度、20〜40代の若手起業家による事例を集めた。あなたの起業、会社売却の参考にしてほしい。

1 株式会社Candle
 Candle は2014年4月、当時東京大学の学生で20歳の金靖征氏が創業した。東京大学起業団体TNKに所属し、同団体のメンバーとともに立ち上げた。ファッションコーディネートアプリ「Moode」をリリースした後、複数のエンジェル投資家(起業間もないベンチャー企業に出資する個人投資家)から資金調達してキュレーションメディア「Topicks」をスタートさせた。

2015年には独立系VCのインキュベイトファンドが主宰する起業家・投資家の経営合宿「Incubate Camp」に出場し、これを機に複数のVCからの資金調達を実現。その後、「Topicks」を「MARBLE」に改称し、ファッション、メイク、美容などオシャレな女性向けのキュレーションメディアとして人気を博す。
 同社は当初IPOを目指していたが、大手のリソースを使って事業に集中したいとM&Aに路線を変更し、2016年10月にクルーズ株式会社に総額12億5000万円で事業売却した。金氏は現在もCandle の代表取締役CEOを務めている。

2 シンクランチ株式会社
 シンクランチはグーグルの日本法人に勤務していた福山誠氏と上村康太氏が2011年8月に創業した。  立ち上げ直後にKDDIが主宰するスタートアップ支援制度「KDDI∞Labo」の第1期参加企業に選出され、資金調達を実現。フェイスブック上でランチの相手をマッチングし、異業種交流を深める「ソーシャルランチ」のサービスを2011年10月にスタートさせた。事業は順調に拡大し、会員数は6万人を超えた。

 2012年12月、福山氏が学生時代にアルバイトをしていた株式会社ディー・エヌ・エーの元社員で、株式会社Donuts 社長の西村啓成氏から買収の打診があったのを機に、創業からわずか1年4カ月での売却となった。
 現在、福山氏はDonuts 社長室室長を務め、ソーシャルランチのリニューアルを図りながら事業を拡大している。上村氏はDonuts のヒューマンリソース部部長を務めた後、グロービス・キャピタル・パートナーズのメンバーとしてベンチャー企業への投資・支援事業に従事している。

3 株式会社バンダースナッチ
 バンダースナッチは、もともと二輪アフターマーケット小売企業でアルバイトからバイヤー・SV・社内ベンチャー立ち上げを行ってきた藤井裕二氏が、2011年に職場のメンバー3名と共に立ち上げた会社だ。イラストをアップロードするだけで服が作れるインターネット上のアパレル工場「STARted」を運営。アイデアさえあれば個人・法人問わず誰でもアパレル商品を作ることができるサービスで、メンズ、レディース、キッズ、犬服や衣装、バッグなど様々なアパレルアイテムの生産が可能だ。同社はさらなるサービス規模の拡大を狙い、2016年12月、家入一真氏が率いる日本最大のクラウドファンディング・プラットフォームであるCAMPFIRE に事業譲渡を行った。藤井氏は現在も代表取締役を務めている。

4 株式会社MUGENUP
 イラストの制作に特化したクラウドソーシングサービス、ムゲンアップを創業した一岡亮大氏も連続起業家の一人だ。同社はイラストを描くクリエイターとゲーム制作会社などのクライアントを繋げるサービスを運営しており、昨今大きな話題になった西野亮廣氏の絵本『えんとつ町のプペル』も同社のサービスを利用して制作された。

 一岡氏は大学時代、独学で1年間システム開発に明け暮れ、とある企業に50万円ほどで売却、それを元手としてSNSで出会ったパートナーと居酒屋クーポンシステムの起業を行い、収益化していた。
 大学卒業後、1年ほどメガバンクにて法人営業を行った後、2011年6月、MUGENUPを創業。2015年に自己株式を売却して同社を退任し、現在はアンドディー株式会社代表取締役。

5 株式会社ジャパンインフォ
 英語、中国語でニュースや旅行情報等を提供する日本最大級の外国人向け情報サイト「Japan Info」の運営を行うジャパンインフォ社は、2012年に原口悠哉氏が設立した。原口氏は大学卒業後、VOYAGE GROUP に入社し、1年後の2012年3月、「Incubate Camp」で優勝したことを機に、同年6月に起業。起業当初は、声のプラットフォームを作ることを目標に「全国告白白書」を開発していたが、多くの声優の卵と出会うことで、声優業界の抱える課題に対して問題意識を持ち、2013年1月、音声クラウドソーシング「Voip!」をリリース、2015年5月にココンへ事業譲渡している。

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サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方

正田圭

本書は「会社を売却することを前提に起業をする」という斬新な働き方を提案します。「起業はハードルが高い」「会社を売るのはさらに難しい」と思われがちですが、「会社を作って売却するのは、世の中に数ある儲け話の中で、一番確実で、一番地に足の着...もっと読む

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