「みんなと一緒」は本当に安心・安全か?
4月に入学したと思ったら、あっという間に1月ですよ……。まったく、時の流れというのは恐ろしいですね! うかうかしていると、とくにこれといった盛り上がりのないまま大学生活が終わってしまう危険性は十分にあります。「一年の計は元旦にあり」ということわざにならって、ここらで一度、生活設計を見直しておくのも悪くありません。
そのときに考えるべきは「この先、個人としてどう動けばいいのか?」ということです。当たり前ですが、大学が提供してくれるサービスは、どれだけよく考えられていたとしても、所詮は大学生という「群れ」のためのものです。カリキュラムに従って教育を受ければ「それなり」の大学生にはなれますが、それって結局のところ「量産型大学生」になっただけのことなんですよね。みなさんの中には、1年生のうちから就職のことを考えている人も多いと思いますが、量産型大学生でも大学のネームバリューでなんとかなった時代はとうに終わりを告げ、個性で勝負する時代がやってきています。厳しいことを言うようですが、高偏差値の有名校だからといって、就職に有利なんてことはないのです。
しかし、学生を見ていると「個であること」を怖がり、みんなと一緒なら安心・安全だ思っている人が本当に多い。ちょっと人と違うことをしようとして、みんなインターンをやりはじめたりとか、どこまでも「右ならえ」の姿勢が抜けない。つい先日も、密かに「個性的でいいなあ」と思っていた学生が「この歳になって怒られるぐらいなら、ほどほどの出来でいいから怒られない方を選ぶ」と言っているのを聞いてしまい、ちょっとショックでした。素晴らしい個性を持った学生が、変なことをして目立つより、地味でもいいから、平穏に過ごしたいと言うのです。あの学生の中では、量産型大学生の枠からはみ出ることはリスキーであるという判断なのでしょうが、長い人生を考えると、個性という武器がない方が、よっぽどリスキーです。
派手で目立つことだけが「個性的」なのではない
大学までは、個性があろうがなかろうが、どうにかやっていけます。どんな人も受け入れるのが教室という場所だからです。しかし大人になると、そうはいかない場面もあります。就活がその最たるものですが、あれって何のためにエントリーシートを書かせたり、面接をやったりするかというと、結局のところ、応募者の個性を知りたいからなんですよね。
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