第24回】24 言葉を操る力

須田健太郎(フリープラス代表取締役社長)

理念の共鳴者が集う訪日専業旅行社

 「成人式はもう一生来ない」。同窓会を終え、眠りにつこうとした二十歳の成人式の夜。ふと当たり前の現実に直面し、須田健太郎はがくぜんとした。今の自分のまま死んだら、生きていた意味はない。せめて地球に何らかの痕跡を残したい──。

すだ・けんたろう(32歳)/1985年、マレーシア・クアラルンプール生まれ。日本人の父と中華系マレーシア人の母を持ち、幼少期をマレーシア、インドネシアで過ごす。流通科学大学を中退後、2007年にフリープラス設立、10年に訪日旅行事業に参入。

 そんな決意から、国内でも珍しい訪日客専業の旅行会社が誕生した。当初はITエンジニア派遣業の会社だったが、リーマンショックを経て訪日旅行事業に参入。東日本大震災後を何とか乗り切って以降、業績が急拡大し、今や年間約13万人の訪日客の観光を扱う。

 須田の父は通信関係の仕事で長年海外に滞在し、マレーシアにいるとき華僑の母と知り合って結婚した。そんな父からの教えで須田が印象に残っているのは「現地人を見下すな。同じ人として平等に接しろ」との言葉だ。

 駐在邦人には、エリート意識から高圧的な接し方をする者もいたが、父は気さくに交わり、現地人の生活に溶け込んだ。フリープラスの従業員の約4割は外国人。須田は「国籍や人種などの違いに興味はない。会社の理念に共鳴した人だけを集める」と言い切る。

 そんな須田が自身の強みと話すのは「言葉を操る力」。高校時は雑誌のコンテストに応募し作詞作曲で優秀賞をもらったこともある。

 「人生に残る思い出をプレゼントする」という企業理念はじめ、分かりやすい言葉で社内外にメッセージを投げ掛けてきた。今は早期上場の実現に向け、走り続ける日々を過ごす。

Photo by K.T.

※ 『週刊ダイヤモンド』2017年4月22日号より転載


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