調理器具のベストポジションは少し恥ずかしい?〇〇〇〇で決まる

あちこちにしまわれた調理器具を出すのに台所をウロウロ。食材を取り出すのに何度も冷蔵庫を開け閉め。この無駄な動きが調理中のイライラと、時間のムダを生み出す最大の原因だと人気料理家の高木ゑみさんは言います。好評発売中の『やる気の続く台所習慣40』から、調理器具のベストポジションを決めるのに最適な、でもちょっぴり恥ずかしい(?)とっておきの方法を教えていただきました。

調理器具のベストポジションは「エア調理」で決める。

住みはじめた当初は、調理器具のベストポジションを考えて収納したつもり。

ところが、そこから少しずつ道具が増えていくにつれて、新しい道具を「とりあえず」の場所に入れ、場所がそのままになっていることも多く、使いにくい台所になっていませんか?

いまのあなたの台所で、カレーライスと茹で卵を載せたサラダを「エア調理」、つまり作るふりをして動いてみてください。

具材を冷蔵庫から取り出し、まな板と包丁を出して、具材を切って、鍋とヘラを出して炒めて、水を入れて……。

それぞれの調理道具が、その動きに合っていない場所に収納されていることで、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりしていないでしょうか。

とにかく無駄な動きが多い状態は、収納にあなたが支配されている証拠。台所のイライラの大きな原因になります。

本来の「正しい動線」とは、欲しいところに、モノが確実にあるという状態です。

たとえば、カレーライスと茹で卵のサラダを作る際の正しい動きは次のようになります。

①冷蔵庫から、使う具材をすべて取り出す。何度も行ったり来たりしないように、一度にカレー用の玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、肉、サラダ用のレタス、きゅうり、プチトマト、卵を調理スペースに取り出す。

②シンクにボウルを置き、洗う食材を入れる。水を切って、すべての皮を一気にむく。

③調理スペースにまな板を出し、すべての材料を一気に切る。食材を切ったら、ボウルやバットに移して準備完了!

④コンロに移動し、フライパンに油を注ぎ、肉に塩・こしょうして炒める。

⑤野菜も加え、しんなりしたら水を入れて煮る。

⑥⑤の間にゆで卵を作る。行平鍋に水を張り、火にかける。

さて、ここで茹で時間の間に手が空くので「プチリセットタイム」です。使ったボウルやまな板を、いったん洗って作業スペースをクリアにします。

片付いたスペースで、サラダをお皿に盛りつけて冷蔵庫へ。

いかがでしょうか。調理の流れと収納の関係が見えてきませんか?

ほかの料理やお菓子作り(泡立て器やゴムベラを使う、卵を割る)などでも、この「エア調理」をしてみると、あなたにとって、調理器具のベストな収納場所がおのずと見えてくるはずです。

ポイントは、頻繁に使う調理器具を、すべて同じ場所にまとめて収納する必要はないということ。あくまで動線に沿って考えてみてください。

エア調理は一人でやっていると少し恥ずかしいけれど、モノのベストポジションを見つけるには欠かせない、大切な「イメトレ」なのです。

そして、これらの「スタメン調理グッズ」以外についても一度、いまの収納を考え直してみてください。ホットプレート、たこ焼き器、フードプロセッサーなど……それほど使用頻度が高くないものに限って、大きく場所を取っていたりします。

せっかくの機会ですから、あまり使わないものも含めて、調理器具をすべて出してみてください 。そして、これは本当に使うのか? どのくらいの頻度で使うのか?など、いま一度キッチンの収納を見直してみませんか?

いままた「面倒くさい……」と思った、そこのあなた! 家じゅうの収納を見直そうと思うと、かなりの気合いが必要ですが、キッチンに収納されているものの数は、実はそれほど多くないはずです。必要なのは、次のたった3ステップです。

さあ、好きな音楽でもかけながら、気軽に楽しくやってみましょう!

①すべての調理器具を取り出す。(フライパン、鍋などのスタメンから、ホットプレート、たこ焼き器、フードプロセッサー、サラダスピナー、圧力鍋など)

②①を使う頻度ごとに分類する。(毎日/2、3日に一回/2週間に一回/1か月に一回/年に数回/ほぼゼロ……)

③「エア調理」に沿った場所に収納する。たとえば、フードプロセッサーを買ったものの、活用していないという方の場合。「みじん切りが一瞬でできると思って買ったはいいけれど、洗うのが面倒くさい」「重くていちいち取り出すのが大変」など、使わなくなってしまった理由がいろいろあると思います。

確かに、玉ねぎ1個のためにフードプロセッサーを出すのは非効率。使って洗って拭いてしまう時間を考えると、手で玉ねぎを切ったほうが明らかに速いです。

ただ、フードプロセッサーでできることはたくさん。ハンバーグやミートソースなどに使う大量の野菜のみじん切りや、千切りする、すり下ろす、パンのタネ作り、生地を練るなどが1台でできてしまいます。それを知らない、もしくは取り出しにくいところにしまい込んで、みずから使う機会を少なくしているのかもしれません。

私の場合、業務用の大きなフードプロセッサーとミキサーはしまう場所に困りましたが、ほぼ毎日使っているので、棚の取り出しやすい場所にデン!と鎮座させています。

サラダスピナーは、レタスなどを買ってきたときに一気に下処理し、保存するときにしか使わないので、週1回程度。ですから、やや手の届きにくいところに収納することにしました。

アボカドカッターは結局包丁のほうがキレイに切れるので、ほとんど使っていないなぁ……と思い、処分することにしました。

ホームベーカリーやノンフライヤーなど、便利な調理用品が次々に生まれる昨今。

いまのキッチンになんとなくモヤモヤがあると、目新しいグッズがつい気になるものです。「活用している」なんて人の声を聞くと、知らず知らずのうちに欲しい気がしてきてしまったり……。

でも、ちょっと待ってください。そもそもあなたはいま、料理の何をもっと便利にしたいのでしょうか。それを、よく考えてみてほしいのです。

ザルが小さくて使いにくい、ボウルの数が足りない、ヘラがふにゃふにゃで混ぜにくい……など、便利グッズよりも先に、日頃から当たり前のように使っているもので、買い換えるべきもの、買い足すべきもの があるかもしれません。

そして、新しいものを買うときには、実際に店頭で手に取り、やはりその場で「エア調理」 をしてみてください。そのときに、しっくりくるものが本物です。

この連載について

初回を読む
やる気の続く台所習慣40

高木 ゑみ

献立作り、買い物、調理、後片付け、掃除……。「面倒くさい」「楽しくない」と感じながらも、それでも毎日やってくる【台所しごと】。そんな台所で「毎日のやる気が続く簡単なコツ」を超人気料理家が伝授します。手際やセンスは不要! 誰でも、今日か...もっと読む

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