ロボット掃除機は、実は床のホコリをまき散らしている!?

普段のお掃除で、家は本当にきれいになっているのでしょうか? 実は熱心に掃除していらっしゃる方ほど、その「動き」でかえってホコリを拡散してしまい、病気の感染リスクを高めてしまっていることも。便利なロボット掃除機や吸引力の強い掃除機にも、思わぬ落とし穴があると言います。病気と掃除のプロ・松本忠男さんの新刊『健康になりたければ家の掃除を変えなさい』から、掃除機の正しい使い方について教えていただきました。

ロボット掃除機の三つの欠点

2000年代初頭に、アメリカから日本に初上陸したロボット掃除機「ルンバ」。

その人気はとどまることを知らず、国内累計販売台数は2016(平成28)年10月の段階で、すでに200万台を突破しています。

特に都市部のマンション住まいの共働き家庭には、この「ルンバ」をはじめとしたロボット掃除機は大変重宝がられているようです。その理由は、マンションなど比較的段差の少ない住宅であれば、ボタン一つ押すだけで、はたまた外出先からスマホで操作するだけで、AI(人工知能)が搭載されたロボット掃除機が、家中の各部屋をくまなく動き回って床を掃除し、家の主が帰宅する頃には自動で充電器まで戻っているという、夢のような利便性にあります。

とても便利で賢いロボット掃除機ですが、実は致命的な欠陥があります。

それは、次の三つです。

①排気口が床面に近いため、自分の排気で床のホコリを舞い上げてしまう

②湿気や静電気で貼り付いたホコリを吸うことはできない

③多くの機種では、部屋の隅のホコリを吸うことができない

最大の問題は、すべての掃除機の宿命でもある 「排気」です。

特にロボット掃除機は、強力な排気を床面に近い場所から上に向けて吐き出しているため、周囲の気流が盛大に乱れて、かえってホコリを舞い上げてしまいます。冒頭でも述べたとおり、家の中のホコリにはウイルスや細菌がたくさん含まれています。このホコリを吸い込めば、人体に悪影響を及ぼしてしまうのです。

また、ロボット掃除機がホコリの汚れを引っ張って、部屋中のフローリング床にホコリの筋をつけてしまっている場面もよく見かけます。これは、車輪やローラーが床の湿気を吸ったホコリを踏み潰し、引きずってしまうために起こります。これでは、掃除をするたびに病気の元をまき散らしているのと同じですね。

湿気の多い梅雨どきは、ロボット掃除機の出番は控えたほうが賢明でしょう。

では、ロボット掃除機はどのように使うのがいいのでしょうか。

まず、朝の出がけにスイッチを入れておけば、帰宅する頃には、ある程度のホコリは取り去られていますが、ロボット掃除機が舞い上げたホコリがふたたび床に落下しています。

ですから、一晩経った翌朝、フローリングワイパーで、そのホコリを取り去る 「仕上げ掃除」をセットにしてください。ポイントは、仕上げ掃除はロボット掃除機を稼働した当日ではなく、翌朝に行うという点です。

というのも、夕方から夜にかけて、家の中で人が動くたびに、床のホコリは小さな舞い上がりを繰り返しながら部屋の隅に追いやられるように移動していきます。そして、ホコリが完全に床に落ちきって、部屋の隅に集まった翌朝に、フローリングワイパーでそっと取り去るのです。仕上げ掃除では隅だけを掃除すればいいので、非常に効率的です。

自動に頼るばかりでなく、一手間加えるだけで、お掃除の質は格段に上がり、ホコリによる病気のリスクを下げることができます。お掃除ロボットとフローリングワイパーのダブル使いで、効率よくホコリの量を減らす掃除を目指しましょう。

掃除機の選び方と使い方

一方、普通の掃除機はどうでしょうか?

掃除機の宿命として、ゴミを吸ったら、その分必ず「排気」する必要があります。

吸いっぱなしでは、本体は空気でパンパンになり、破裂してしまうからです。この排気によって、ホコリを吸ったはずの掃除機で気流を起こしてしまい、掃除をしたそばからホコリを空気中に舞い上げてしまうのです。

実際に、ホコリの動きの評価解析を行うシーズシー有限会社に実験を依頼したところ、掃除機の排気で舞い上がったホコリは、部屋の中を20分以上も漂い続ける結果になりました。そして皮肉なことに、吸引力が高く、ホコリをたくさん吸ってくれる掃除機ほど排気量も多いため、この傾向が強くなります。

では、どうすればいいのでしょうか。

ポイントとなるのが、掃除機の選び方です。ホコリの舞い上がりを最小限に抑え、ホコリによる感染症を予防したいのなら、排気のきれいさや吸引力だけでなく、次の二つを満たすものがおすすめです。

①排気口が高い位置にある

②コードレス

排気口の位置が床面と近ければ、床のホコリを舞い上げてしまう原因となります。

床面と排気口との距離が近いキャニスタータイプよりも、手元に排気口があるスティックタイプのほうがおすすめです。

そして、できればコードレスであること。掃除機を動かすたびにコードの動きが床のホコリを舞い上げてしまうため、コードのないものを極力選ぶようにしましょう。

もちろん、掃除機の排気がきれいであることも重要です。菌やウイルスがそのまま素通りして排気口から出てしまうようでは、掃除機をかける意味がありません。掃除機内のフィルターなどで、しっかりと微粒子をキャッチしてくれるものを選んでください。

ただし、ノロウイルスは例外です。ノロウイルスの粒子は非常に小さいため、どんな高性能フィルターでもすり抜けてしまいます。ノロウイルス患者の嘔吐物を乾燥させてから掃除機で吸い込み、その排気でウイルスを拡散させてしまったホテルの事例がその証拠です。

そして、やはり吸引力も大切です。湿気や静電気によってフローリングに張りついたゴミも吸い込めるくらいの吸引力が理想です。

これらすべてのポイントを完璧に満たす掃除機を見つけるのは、なかなか難しいかもしれませんが、次回掃除機を買い換える際には、ぜひ参考になさってください。

さらに、掃除機の使い方にもポイントがあります。掃除機のヘッドは1メートルを5〜6秒ほどかけて、一定の速度でゆっくりと動かすことで、ホコリの舞い上がりを減らすことができます。ゴシゴシと素早く動かすと、床のホコリを舞い上げたり、床に張り付いたゴミの上をスルーしてしまい、きちんと吸い込むことができません。また、押し引きの速度がバラバラでも、ヘッドが浮き上がってしまい、ホコリを効率よく吸い込むことができないのです。

このように、掃除機を使うときには排気に気をつけ、ゆっくりと正しく動かすことで、ウイルスや菌を含んだホコリの拡散を防ぎましょう。

●まとめ●

ロボット掃除機は留守中に動かし、翌朝、部屋の隅だけフローリングワイパーで静かに掃除することで、感染源となるホコリを効率よく回収できる。

この連載について

初回を読む
健康になりたければ家の掃除を変えなさい

松本忠男

アレルギー、感染症……その不調、間違った掃除が原因です!!◎もっともインフルエンザに感染しやすい部屋は「寝室」◎「トイレのホコリ」の中で、菌は約10倍繁殖する◎「花粉」の季節に玄関をホウキで掃くのはNG◎間違った方法で風呂場を掃除する...もっと読む

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aoi_azuma #スマートニュース 5日前 replyretweetfavorite