いままで通りのSMAPで、いつまでもいたい」

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、39回目。12年、中居と木村が40代を迎えた。アイドルの彼らは、各々の成熟も否定することなく不惑と呼ばれる年代に入っていく。

 東日本大震災から1年が経った2012年3月、NHKで被災者支援を目的とする音楽番組「〝明日へ〟コンサート」の放送が始まった。

 総合司会を中居正広が担当し、SMAPも一出演者として歌を披露する。

 人々の価値観を一変させた震災の記憶は音楽文化のあり方も問い直すものになったが、その中でSMAPは、アイドル歌手であるがゆえの一つの答えを見いだしていた。

「去年皆さんに言われてたことが、『歌の力って結構大きいんじゃないか』って。避難所にいらっしゃる被災者の方の声でも多かったんです、『歌が聴きたい』、『音楽が聞きたい』、『歌いに来てほしい』って」(稲垣)

「SMAPの曲って、人と人との繋がりを歌にしていたり、前向きなメッセージが込められていたり、笑顔や元気をあげるような内容が多いんですけど、覚えやすいことも含めて、すごくいい財産を僕らは持ってたんだなってことに、気づかされた」(稲垣)

 国民的アイドルグループの歌声はそうして時代と寄り添いながら、震災後を生きる私たちの日々をもう一度作っていく。

 震災の9か月後に発表したシングル『僕の半分』は当時の喪失感ともシンクロする切ないバラード曲だったが、その次の2012年4月に発売された『さかさまの空』は傷つきながらも前を向く、そんな明るさを持った楽曲へと変化している。

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SMAPの28年間の活動と、とあるファンの女性の28年間。決して交わることはなかった。でも、支えられていた。そんな両者の紆余曲折の歩みから見えてくる、アイドルの“意味”。アイドル文化が生み落とした新世代の書き手によるSMAPとそのファンのノンフィクション。

この連載について

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SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

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コメント

bear_yoshi 中居さんの手紙が本当にいいな。 /  10ヶ月前 replyretweetfavorite

smaplove160818 https://t.co/MGsqS4dx6O 10ヶ月前 replyretweetfavorite

smarashic 「 いままで通りのSMAPで、いつまでもいたい」 https://t.co/4gYRArlls1 10ヶ月前 replyretweetfavorite