「病気を防ぐ掃除」は続けやすさが第一
後日、おばあさんの娘さんから「松本君、毎日お掃除してくれてどうもありがとう。いままでお世話になりました」と、一通のお手紙をいただきました。あとから、おばあさんが「MRSA感染症」で亡くなったと聞き、愕然としました。
MRSAは、人の鼻や口などに普通に存在する黄色ブドウ球菌の一種です。ただし、一般的な黄色ブドウ球菌との大きな違いは、細菌を殺すための薬(抗生物質)に対する耐性があるということです。健康な人であればその免疫力によって駆除することができますが、免疫力が極端に落ちた入院患者の方にとって、自力で駆除することも薬に頼ることもできず、命取りになるケースが珍しくありません。
この細菌は、空気や床、保菌者が触れたドアノブ、手すりなどを介して感染が広がっていきます。つまり、清掃で感染対策を徹底しなかったために、おばあさんは亡くなってしまったのです。
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