この一瞬の笑顔のために、僕ら20年やってきた」

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、38回目。スマスマ、そしてラジオからメッセージを発し、被災地にも足を運んだSMAP。そこで迎えてくれる笑顔を前に香取はこう思った。

「いま僕たちになにができるのだろう」と題されたその生放送の中で、SMAPは様々な感情を口にする。

 分かっていたつもりで何も分かっていなかった自然の恐ろしさ。街の混乱と焦り。

 何もできない自分へのもどかしさ。

 そして、込み上げる復興への祈り。

 それはSMAPの言葉であると同時に、未曽有の大災害の目撃者である、2011年の私たち一人一人の言葉でもあった。

「始まる前にやっぱり不安なこともありました。バラエティ番組というものに対して。

 でも始まったときに、ちょっとホッとしたり、少し元気が出たなと感じる部分が自分の中であったから、こういう思いをちょっとでも感じてくれる方たちのために、一生懸命頑張ることが今できることなのかなと思った」(香取)

 また実はこのスマスマの後も、SMAPは5人揃ってある番組に出演している。それはテレビではなく3月25日に放送されたラジオ番組、「木村拓哉のWhatʼs UP SMAP!」だ。

 個人でもグループ名義でもそれぞれレギュラーのラジオ番組はあったが、その中でSMAPがあえて木村の個人番組を選んだのは、おそらくこれが被災地域でも唯一聴取可能な全国ネットの放送番組であったからだろう。

 そこには震災を目撃した国民的アイドルグループが、ラジオで伝えたもう一つのメッセージがあった。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

SMAPの28年間の活動と、とあるファンの女性の28年間。決して交わることはなかった。でも、支えられていた。そんな両者の紆余曲折の歩みから見えてくる、アイドルの“意味”。アイドル文化が生み落とした新世代の書き手によるSMAPとそのファンのノンフィクション。

この連載について

初回を読む
SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

bookishnahapipi @sementnoinu ねー。https://t.co/PJZKIGFSoz これもおススメよ。みた? 約2年前 replyretweetfavorite

smarashic 「 この一瞬の笑顔のために、僕ら20年やってきた」 https://t.co/3bNxvdeNU6 約2年前 replyretweetfavorite

co_medy 2011年3月、SMAPが始めたこと。 約2年前 replyretweetfavorite

kstsmap_taka #復興に向けて手を繋ごう #スマスマ https://t.co/4qzBZiqMXW 約2年前 replyretweetfavorite