ラクするために努力する
すでにお話ししましたが、大学卒業のとき、教授をケーキで買収して、試験で落とした卒業単位をとりました。
53歳でアメリカへ留学するときは、学生ビザを取得するために、アメリカ大使に直訴し仮のビザを発行してもらい、大学院入学に必要な試験(GRE)を免除してもらうために、学部長に手紙を送りつけて、なんとか留学の許可をもらいました(最終的にGREは大学院に通いながらパスしました)。
思い返してみると、昔からズルばっかり。何が最初の成功体験かはわかりませんが、私は労せずしてうまくやることに関しての努力は惜しみません。
留学中にはこんなこともありました。
卒論とは別に卒業試験として科目の試験にパスする必要がありました。寝る時間を割いて時間を作ればなんとか仕上げられる卒論と違って、卒業試験には制限時間があります。
問題がわかるかどうか以前に、どう考えても時間が足りない。
そこでやっぱり、教授のところに行き、「私には英語にハンデがあるので、試験時間を30分余分にもらえれば、必ず書けます!」とお願いしたのです。
教授は30分、時間をくれ、無事にパスすることができました。
でも、同じように中国人留学生が教授のところへ行き、試験時間の延長をお願いしたのですが、彼女の願いは聞き入れられませんでした。
おそらく彼女は、「フミと同じように時間が欲しい」と言ったのだと思います。でも、それではダメなんです。
伝えるべきは、「自分にとって、いかに必要か」ということ。
「人と同じ」「あの人だけズルい」は理由になりません。
ちゃんと努力する人がエラいに決まっています。でも、労せずしてうまくやることにだって、〝情熱〟と〝運〟は必要なのです。
引けない私は麻雀が勝てない
ここ3年くらいでしょうか、短大時代の友だちとの麻雀が月1回の恒例になっています。
ときには、泊まりがけで麻雀旅行に出かけ、宿にチェックインしてすぐさまジャラジャラやって、翌日は一日中ジャラジャラ。帰る前もチェックアウトの時間ギリギリまでジャラジャラ。
誰かがポロッと牌を落とすと、「あー、リャンピン落とした~」と、みんなにご披露し、神妙な面持ちの人がいれば、「あの人絶対、マンズのリャンメン待ちだよ~」と指摘する。
とにかく、やかましい麻雀で、へたくそが集まっては楽しんでいます。
私がはじめて麻雀をしたのはずいぶん前で、息子が小学校高学年のとき。
突然、思い立って麻雀牌を買って帰り、「みんなで仲良く、家庭麻雀をやりましょう!」と宣言したのです。
それまで麻雀などやったことはなかったけれど、牌を揃えるゲームでトランプと似たようなものだろうし、トランプより麻雀のほうがかっこいい!
そんな思いつきだったのだと思います。
夫はルールも知らないへたくそとはやりたくないから、知らん顔。
最初は私と子どもとでそれぞれ勝手に、ノリだけでゲームを進めていました。
「これはたぶん、いい手だから1000点」
「これさっきよりいいから、2000点」
いい加減なものです。そのうち、息子が麻雀の本を買ってきて、一応、点数が数えられるようになりました。
もちろん、子どもだからといって手加減はしません。東京に転勤になり近所に住んでいた私の兄も加わるようになり、家庭麻雀はしばらく続きました。
その後は友だちや大学の同級生から誘われるとメンバーに加わるなどして、なんだかんだで麻雀歴はかなりのものになります。
でも、「場に捨てられた牌を見れば、誰が何で待っているかわかる」なんて、高度なことは私にはできませんし、できるようになりたいと思ったこともありません。
つまり、まったく上達していないわけです。
麻雀は性格があからさまに出るゲームのようです。
最終的に勝つためには、自分の手が悪いときは早めにゲームから降りたほうが得策なのですが、私は最低の手だろうと牌が揃ったら、親のリーチなどなんのその。
ほかのメンツの状況など無視して勝負するタイプ。麻雀には駆け引きがとても重要なのですが、私は基本、押し一辺倒なのです。
だから、勝てない。
でも、最近になってようやく「勝ちたい!」という欲が出てきて……降りること、引くことも少しずつ覚えているところです。
旅行は徹底的に楽しまなくちゃ
旅行は大好き。
イギリスにフランス、イタリアにドイツ、スペイン、ブラジルにペルーと、いろいろな国へ行きました。
暑さが苦手なので、どうしてもヨーロッパが多くなるのですが、気に入ったところは繰り返し訪れます。
好きなのは、スペインやイタリア。
現地の人が陽気で人なつっこくって、なにより食べものもおいしいのが魅力です。
ただ、旅行は誰と行くのかも大切ですよね。
一時期、友だちのご夫婦何組かと私とで毎年、旅行をするのが恒例になっていました。
彼らとの旅行は、団体旅行に参加するのではなく、持ち回りでプランを組み立てる自由旅行。
食事へのこだわりも一緒で、彼らとの旅行は毎回充実していました。
しかも、いつしか旅の最終日の夜は一部屋に集まって仮装パーティをするのが恒例に。これが、バカバカしくて楽しいんです!
東欧では口の周りを丸く黒く塗ってヒゲを描き、茶色の腹巻きをして「泥棒」に扮し、オーストラリアではワンショルダーの白いドレスを着て、手作りの冠とトーチを手に、隠れ肥満の「自由の女神」になりました。
メンバーの一人は仮装に力が入り、スーツケースの半分が仮装衣装だったなんてことも。
くだらないことに一生懸命。私はそういうノリが大好き!
レストランではみんながてんでに好きなものをオーダーし、その賑やかなこと。
「お前たちは日本人じゃないだろう」とお店の人に言われたりしました。
そんな旅行も回を重ねるうちに、もともとのメンバーに加え、それぞれの友人知人が入れ替わり参加するようになりました。
類は友を呼ぶのか個性が強い方が多く、楽しさと同時に少々の苦労を感じるようになっていきました。
素敵なレストランでのランチにみんなが湧く中、「昼間からこんな高い店」と不機嫌になる人。
おしゃれをしてヒールを履いてコンサートに行こうというときに、「タクシーはもったいない。駅が近いよ」と提案する人。
旅のクライマックスの仮装パーティに「アイディアがないから、仮装をやめたい」と言う人。価値観が、それぞれ少しずつ違うわけです。
ある都市ではたった2時間の自由時間を、「滝野さんと一緒に行きたい」というご夫婦と同行したことも。
私は走って見て回りたかったのに……。
私は添乗員の役を、やりがいがあって楽しいと喜んでいたのですが、だんだん負担になってきて、いつしか恒例のこの旅行に参加しなくなっていました。
でも、思い返すと、素晴らしい思い出ばかり。やっぱり旅行はいいですよね。
非日常が旅行の醍醐味。
せっかく旅に出たのだから、思いっきり楽しみましょうよ。
スカイダイビングやスキューバダイビングも旅先でのチャレンジですし、カナダやオーストラリアではラフティングを経験しました。
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