ぼくが投資信託の積立運用を初めたのは就職して1年目、2007年の6月だった。
投資信託の積立運用についての説明は、前回したとおりだが、例を踏まえてもう一度簡単に説明すると、投資信託というのは、金融商品の福袋セットみたいなものだ。福袋には説明書がついていて中身がどういうものかわかるようになっている。ぼくたち投資家は、中身を見て自分が気に入った福袋を購入するだけで、中身の管理はプロが行ってくれる。福袋は中身の金融商品の価値が上がれば値上がりし、価値が下がれば値下がりする。同じ福袋を何度でも購入することが出来るし、金額分を指定して購入することも出来る。
例えばその福袋が、1つ22,000円だとする。10万円だと、端数が出るのだが、4.54個購入することが出来るのだ。福袋の価格が変わっても、毎月10万円ずつ購入し続けることが出来る。少し大雑把な例えかもしれないけど、これが投資信託の積立運用だ。
ぼくは、福袋の中身が世界中の株と債権と不動産で構成されている投資信託を毎月10万円ずつ購入し続けることにしたのだが、しかし……
世界経済はリーマンショックの真っ只中
ちょうどその頃の世界経済は、リーマンショックという不況が始まったばかりで、世界的に株も不動産の価値も大きく下がり続けていた。この未曾有の世界同時不況は2012年まで約5年間も続くのだが、その間、世の中の投資家たちは悲鳴をあげていた……らしい……
正直経済のことは今でもよくわかっていない。
リーマンショックの仕組みを説明しろと言われてもさっぱりだ。
経済ニュースで日々伝えられる情報もあまり理解していない。
もちろん新聞も読まない。(誇れることではないが(笑))
会社からは日経新聞の購読を勧められるが、仕事にはそれ程必要性を感じないし、何より手取り22万円のぼくにとって、毎日の180円すらもったいないと感じている。
興味を持って観ることが出来るのは、テレビ東京の『カンブリア宮殿』と『ガイアの夜明け』くらいだろうか。(あれは普通におもしろい!)
当然、この時期はぼくの資産評価額(投資成績)も下がり続けていた。
2007年から2012年の5年間で、毎月約10万円ずつ、合計で700万円というお金を積立てていたが、資産評価額は550万円くらいまで減っていた。普通に見れば150万円の損失だ。
当然というべきか、この時のぼくの状況は、周囲にまったく理解してもらえなかった。
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