「天職とは自分でつかむもの。
ひとつのことをやり通すのもいいし、いろんなことに興味を持つのもいいけれど、とにかく何かを続けることが、天職とか才能と呼ばれるものに変わっていくのだと思います」
(岡田准一, 1980-)
3種類の武術のインストラクターの資格を取得
10代の頃から、映画3冊、本1冊といったノルマを決めてインプット生活をしてきたというジャニーズの知性・岡田准一。
さらに、岡田の人生を導いたのは〝人生について考えた時間の長さ〟だとも言えます。後編では、その、人生を早く考え始めるきっかけとなったできごとや、文化面以外、すなわち肉体的な努力について触れていきます。
作家・金城一紀と組んで企画書を通したことで実現したドラマ・映画『SP』の時にはフィリピンの武術カリを学び、主演でありながらスタッフ側としても参加しました。
まずは自身で世界中の格闘技や武術を調べて、個人レッスンを開始。足がパンパンになるまで、鏡の前でひたすら棒を振るなどした後に、個人的に弟子入りまで果たします。
今ではカリに加え、ブルース・リーに由来する格闘技・ジークンドーと修斗に、柔術や居合もやるようになった岡田。カリ、ジークンドー、修斗の3種類に関しては武術のインストラクターの資格をもっています。風呂に入る前には上半身裸になって棒を振るのが日課の生活で、体のために冬でもなるべく暖房をつけないようするといいます。
「様になるようにカラダを動かす技術も身につけないとスタッフの方と対等に仕事ができない」という言葉には、妥協を許さないプロ意識が垣間見えます。
映画『フライ、ダディ、フライ』のときは、撮影までの1年間、毎日2時間のジム通い。
『永遠の0』では当時の資料を調べた上で、零戦のパイロットに会いに行き、老人を演じた『海賊とよばれた男』では、朝から「あーっ!」と叫び続けて声をからし、『関ヶ原』では自分の演じる石田三成の墓に自分でアポを取ってお参りしたり……と作品ごとに徹底的な役作りも欠かしません。
「まだ足りない」を片付けているだけ
文化系のストイックさと、体育会系のストイックさをあわせもった男、岡田准一。しかし、本人にはあまりストイックという意識はないようです。
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