第16回】16 好奇心で広がる想像力

松本恭攝(ラクスル代表取締役)


 地平線が見える田んぼ。コンビニまで自転車で15分。富山県で生まれ育ち、「高校生までは“普通”の人間だった」という松本恭攝を動かしたのは、「東京に行きたい。見たことがないものを見たい」という好奇心だった。

まつもと・やすかね(32歳)/2008年、慶應義塾大学商学部卒業後、A.T.カーニー入社。顧客のコスト削減プロジェクトで、印刷費の削減率が最も高かったことから印刷業界に興味を持つ。インターネットの力で印刷業界の仕組みを変えようと、09年9月にラクスル設立。

 両親は共に地元の県庁職員。教育熱心なタイプではなく、「基本は放置だが、子供がやりたいことには『ノー』と言わない親だった」(松本)。

 憧れの東京での学生生活で、日本と中国、韓国の学生を集めてビジネスコンテストを開催する団体の立ち上げメンバーに加わる。資金もなければ中国、韓国へのつてもない。教授らに相談するが「やめた方がいい」と説得された。それでも行動していると、中国と韓国に学生組織ができ、コンテスト開催のために1000万円を出す企業も現れた。

 「人間の限界は想像力で決まる。知らない世界を見ることで、限界は広げられる」と実感した松本は、投資サークル設立や語学留学など、知らない世界に飛び込むことに夢中になる。24歳で起業した理由も「旅行のように、起業を経験してみたかった」から。中小の印刷業者をつなぎ格安印刷を実現した業界の革命児は、貪欲な好奇心で世界を変えるアイデアを探し続けている。

Photo by H.O.
※ 『週刊ダイヤモンド』2017年4月22日号より転載



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jumpei320  「人間の限界は想像力で決まる。知らない世界を見ることで、限界は広げられる」 4日前 replyretweetfavorite

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