朝市@大原
里山で旬の味覚を知る
「京都~大原、三千院~♪」のメロディで一躍有名となった大原(作詞は永六輔氏! 大原のバス停からほど近い場所には歌碑も立っています)。近年では、Eテレのエコ・ライフスタイル番組『猫のしっぽカエルの手』に登場するベニシアさんの暮らしの場としても脚光を浴び、とくに、香り高く、色鮮やかな赤しその産地として親しまれています。毎年7月には赤しその販売をはじめ、しば漬体験や、しそジュース体験などが大原一円で展開され、9月21~24日は「寂光院(じゃっこういん)しば漬の日」として大いに賑わいます。茄子(なす)と赤しそを塩で漬け込み乳酸発酵させた「しば漬」は、大原が発祥の漬物。すぐき漬、千枚漬と並んで、京都三大漬物とされる伝統食品です。
そんな大原、桜や紅葉のシーズンに多くの観光客がひしめき合いますが、実は冬こそ狙い目。天然温泉の露天風呂であったまったり、鍋料理に舌鼓を打ったりしながら、冷え冷えと澄んだ空気の中、静寂の世界が味わえます。霞がかる山並み。ひっそりと静まった古刹(こさつ)や庭園。とくに雪に覆われた銀世界は、里山ならではのえも言われぬ風情が漂う景色。平安貴族らの別荘地だった嵐山に対して、都の喧騒や現世の煩わしさから逃れたい皇族や文人、僧侶らの隠れ里だったというのも分かるというもの。