■『タルカス』エマーソン・レイク・アンド・パーマー(EL&P)
SFファンとして忘れてならない「戦車」音楽が、エマーソン・レイク・アンド・パーマーの「タルカス」(1971)だ。プログレッシブ・ロックの黎明期に出現したこの組曲は、全七曲構成。むかしのSFマガジン(1972年9月号、9ページ下段)で、故・野田大元帥が紹介しておられたのをご記憶の方も多いだろう。
タルカスというのは、戦車とアルマジロを合体させたような形状のオリジナル・モンスター。名前は「タルカというカワウソ」に由来する(注1)。ジャケットの強烈なイラストを描いたウィリアム・ニールは、当時まだ画学生だった。これがどの戦車をベースにしているかは、『ガルパン最終章』をごらんになった方なら一目瞭然だろう。そう、戦車の始祖、イギリスの菱形戦車、あのマークⅠである。『最終章』に出てくるマークⅣは、これの改良型だ。
*注1 『キース・エマーソン自伝』(川本聡胤訳、三修社、2013年)より。訳注に「ヘンリー・ウィリアムソンによる一九二七年の小説『かわうそタルカ(Tarka the Otter)(海保眞夫訳、文芸春秋社)』)のこと。」とある。
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