MEDIA MAKERS」を読んで考える、個人のメディア化の方法論(後編)

田端信太郎氏の話題作『MEDIA MAKERS』を語る最終回です。収益を目的としない個人メディアが取り得る言論について、3つのポジションを提示された前回。そのなかでも、メディアとして成功するための必要条件とされるのが、"野次馬の対象"的なポジション。しかし、それはあまりにもリスキーな行為でもあります。結局、賢明な個人はどういう立場をとるべきなのでしょうか? 必読です。

前回、収益を目的としない個人メディアが取り得る言論について、3つのポジションを提示しました。そして、「"野次馬の対象"のポジションを取るためには、尋常ではない精神的タフネスが必要になるので、それ以外のポジションの可能性を考えましょう」というところで話を終えました。

簡単に結論を出してしまいましたが、実は今の構造のインターネット世界において、この"野次馬の対象"的なポジションを取ることは、メディアとして成功するための必要条件になっています。「どんな極論、どんな下品なネタでも、とにかくたくさんのPV(ページビュー、アクセス数)を集めた奴が勝ちである」というのは、グーグルによって生み出された今のインターネットの普遍的なルールです。そのことは、つい最近もモバツイ開発者の藤川真一さんが、「残念なweb論の骨子」というエントリにまとめておられましたのでご参考まで。

したがい、前回のコラムで紹介したイケダハヤト氏も言うように、「自分の恥の部分をさらけ出し」、「一部の人たちから嫌われ」るポジションを取ってでも、大量のPVを集めることが、個人メディアとしての経済的成功の条件です。しかし、このポジションを取ることは、普通の企業で被雇用者として勤務している人間には、まず無理です。下手すると勤務先のレピュテーション(評判)そのものを傷つけ、解雇対象になりかねません。

賢明なサラリーマンでありたいのであれば、インターネットでは「何も発言しない」ことが最善の態度です。何らかの理由でその分別をかなぐり捨てて「個人メディア」を試みるからには、そもそもこの「PV至上主義」という現在のインターネットの重力法則に反することの自覚と、戦略的な見通しを持ち合わせていなければなりません。

「業界の権威」は、自ら意味のあることを語らない

では、具体的に前回示した「業界の権威」と「境界者」のそれぞれのポジションを取るために、実際にどのようなことをするべきか、考えてみます。

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川上慎市郎

グロービス・マネジメント・スクールでマーケティングを教える川上慎市郎さんが、若手ビジネスパーソン向けに、マーケティング、メディア、そして教育について、深くやさしく解説をします。かつて有名ブログ「R30::マーケティング社会時評」を運営...もっと読む

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tabbata 「業界の権威」は、自ら意味のあることを語らない〜【第16回】 5年以上前 replyretweetfavorite

R30 最終回は取り得るポジションごとに必要なコンテンツ要素について。PVに惑わされないという意味でメルマガはやっぱり強い。【第16回】 5年以上前 replyretweetfavorite