上司のメンツを潰すべからず!コミュ力を身につけよう【後編】

前回、上司から「3ヶ月で業務態度が改善されなかったらクビ」だと宣言されてしまった、ゆるふわOLの瑠雨図(るうず)さん。そこへ、何故か合併先で「チーフ社内政治オフィサー」に就任していたずんずん先生に出会います。社内でのコミュニケーションの重要性を解くずんずん先生のレポートを受けとった瑠雨図さん。果たして無事クビを回避できるのか……!?


オフィスで「あいつ、なんだかうまくやってるなー」って思う人ってたまにいませんか。上司には気に入られ、いつもおいしいところをもっていくあいつ……。

こういう人は単に要領がいいというわけではありません。

社内政治を熟知しているんです。

人が集まれば、力関係が生まれます。 力関係が生まれれば、対立が生まれます。

この対立を、あっちの顔色をうかがい、こっちの顔色をうかがい、 自分にとって、みんなにとって良いかんじにしていく能力、それが社内政治力です。

組織の中で生きていくということは、ただ単に仕事ができればいいということだけではありません。上司に気に入られなければ出世できませんし、 同僚にはめられる可能性だってあります。その場にいるだけで誰かが自分を守ってくれるということは、残念ながらないのです。

このオフィスというコンクリートジャングルで生きていくために、

「どう自分を守っていくか」

を常に考えていきましょう。


瑠雨図さん「自分を守る……」

そう言われて、瑠雨図さんは胸に手を当てました。

自分はなんとなく新卒で会社に入り、なんとなく今ここにいます。そして、自分を守るなんてことを今まで考えたこともありませんでした。

瑠雨図さん「社会って、まじ弱肉強食だったの……」

ずんずん先生「まじ弱肉強食だし、弱いものは食われてまじ死ぬ競争社会よ」

瑠雨図さん「しんどい……」

瑠雨図さんはガクリと片膝をつきました。

瑠雨図さん「世界は競争社会だって、なんで学校は教えてくれなかったんだー!」

ずんずん先生「いや、相当教えていたと思うけど……気づかなかっただけじゃない? さて」

ごほんっとずんずん先生は咳払いをしました。

ずんずん先生「社内政治の重要性がわかったところで、どうして上司にクビだって言われたかわかる?」

瑠雨図さん「えっそりゃ私が仕事ができないからじゃないですか?」

ずんずん先生「なんなの? 馬鹿なの? その頭にはビー玉でもつまってるの?」

瑠雨図さん「ひ、ひっどーい! なんですか! 仕事出来なすぎてこのままマジクビって言われたんですよー!」

ずんずん先生「上司はほかになにか言ってなかった?」

瑠雨図さん「え……?」

はっと瑠雨図さんは気づきました。

瑠雨図さん「他の部署からもクレームが来てるって……言ってました」

こくりとずんずん先生は頷きました。

ずんずん先生「転籍して3か月で、仕事ができないからってすぐにクビになるなんてことはまずないわ。問題は、他部署からもクレームが来ていて、上司のメンツをつぶしたこと」

瑠雨図さん「え!!!!!!?」

瑠雨図さんは目を丸くしました。

瑠雨図さん「ク、クレームが来たことがそんなに問題なんですか!?」

ずんずん先生「そうよ。部署内だったらこいつ使えねぇなぁ~で済むけど、あなたが仕事ができないことが、他部署にもばれてしまったのよ。それって、上司のマネジメント能力がないって他部署に知らしめてるようなものじゃない」

瑠雨図さん「わ、私はそんなつもりじゃ……」

ずんずん先生「上司はあなたに恥をかかされたと思ってるわよ……」

瑠雨図さん「そんな……」

まじ世界って厳しすぎ……。

瑠雨図さんは気が遠くなりそうになりました。

瑠雨図さん「じゃあどうしたらいいんですか~!?」

ずんずん先生「そうねぇ……まあ対処法だけど……」

そう言うと、ずんずん先生は瑠雨図さんに、こしょこしょと耳打ちをしたのでした。




それからしばらくして……。ランチタイムのおしゃれなレストランで、ダンディなおじさまとパスタをくるくるしている瑠雨図さんの姿がありました。

このダンディなおじさまは、なんと瑠雨図さんの仕事ぶりにクレームを入れてきた営業部の談手井(ダンディ)部長でした。

瑠雨図さん「本当にこないだはすいませんでした~」

談手井部長に瑠雨図さんはぺこりと頭を下げました。

談手井部長「いやいや。もう終わったことだから。今後は気を付けてね」

瑠雨図さん「はい! もちろんです!」

談手井部長「でも、あんなことがあったのに、こうやってランチに誘ってくるなんて君はなかなか腹が座ってるね」

瑠雨図さん「いえ……はは……勇気がいりました!」

苦笑いしながらも、瑠雨図さんは答えました。

瑠雨図さん『ずんずん先生に言われて超勇気だして誘ったんだけど……。なんだか……いい感じ??』

なんて瑠雨図さんが考えていると、

須玖(すぐ)マネージャー「あら、瑠雨図さん」

瑠雨図さん「あ! マネージャー!」

そこに偶然にも、瑠雨図さんの上司である須玖マネージャーが通りがかりました。そうして、ちらりと談手井部長を見て、瑠雨図さんを見て、ふっと薄く笑うと通り過ぎていきました。瑠雨図さんはどっと背中に汗をかくのを感じました。

談手井部長「須玖さんもこの会社ながいからねぇ。瑠雨図さんもがんばってね」

と談手井部長は朗らかに笑いました。

瑠雨図さん「い、いやそんな……」

はははと引きつった笑いを浮かべながら瑠雨図さんは言いました。

瑠雨図さん『ずんずん先生が、クレーム入れてきた部署の偉い人と仲良くしろって言ってたけど、これでいいのかな……?』

そうすれば、クレームも来るのが減るし、上司も何も言わなくなるって言ってたけど……。社内政治って奥が深すぎるわぁ……。

と思いながら、瑠雨図さんはパスタをくるくるするのでした。

<次回、1月20日(土)更新予定>

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ずんずん

自分の会社に不満を抱えている青年、出来内陽太(デキナイ・ヨウタ)。「こんな会社もうやめたい」と日々愚痴っている陽太の前に現れたのは、「産業メンヘラ医」を名乗る謎の女で……!? グローバル企業の実態をおかしく描いた『外資系はつらいよ』で...もっと読む

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marekingu #スマートニュース 5日前 replyretweetfavorite