日本円でおよそ16万円
タイの日本人社会は多層的になってきており、生活水準はもう千差万別だ。その「貧富の差」は、日本国内よりもだいぶ激しいことになっている。
大手一流企業の駐在員ともなれば、宮殿のごときコンドミニアムに住み、運転手つきのクルマで移動してたりするが、一方でバンコクの下町の安アパートに住み着き、タイの庶民に混じって暮らしている日本人だって珍しくはない。日本の口座に振り込まれる月6万円の国民年金をタイで引き落としてささやかに生活するお年寄りもいる。起業してばりばり稼いでいる人もたくさんいる。平均、というものがなかなか見出せない社会ではある。
それでも、いまアジアに、とりわけタイに増えている「現地採用」という枠組みの中で見ていくと、ひとつの基準がある。それが「月5万バーツ」だ。
日本円にすると約16万7000円(2017年7月現在)。それが、タイでの日本人の最低給与と、タイの法律で定められているのだ。現地採用は、最低5万バーツの給料はもらえるということになる。
ただし、これには例外がある。BOI(タイ投資委員会)に認可されると、最低給与などの縛りがなくなるのだ。5万バーツよりも低い額で、人材を公に募集している会社は、多くはBOI認可企業だ。
だが一般的には5万バーツが目安になってくるだろう。求人サイトや、人材派遣会社のデータ、現地日本語フリーペーパーの求人などを見てみても、だいたい初任給5~6万バーツでの募集が多い。日本円でおよそ16~20万円。この額をどう見るか。
日本の地方都市や、派遣で働くよりも、もしかしたらいい給料かもしれない。だが東京や大阪で働いている正社員ならば、不満に感じる人もいるだろう。
しかし働く場はタイだ。現地採用で暮らす人のかなりの部分が、日本のようなストレスをあまり感じず、ゆったり生きられると語る。
大卒タイ人の給料の、倍以上
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