「書こう!」と思わず、言葉に対して
いちばん無意識になると言葉が出てくる
あかちゃんがたくさんいるデパートで、 かれらが老人になる頃わたしはいないと思った。 さようならは不穏だから、なにをきみたちに言えばいいのかな。
(「ふれた永遠」 『愛の縫い目はここ』所収)
都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ。 塗った爪の色を、きみの内側に探したってみつかりやしない。 夜空はいつでも最高密度の青色だ。
(「青色の詩」 『夜空はいつでも最高密度の青色だ』所収)
それにしても不思議に思う。なぜ詩だったのだろうかと。
何かを表現したい。そう思い立ったとしてそのとき、失礼ながらさほど流行らない詩へと気持ちが向かったのは、なぜだったのだろう?
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