SMAPに、そして草彅の元に届いた『この瞬間、きっと夢じゃない』

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、35回目。2009年4月23日朝。草彅剛逮捕。謹慎中の草彅に寄り添ったのは、SMAPのメンバー、先輩後輩、そしてファンから届けられたあの楽曲だった。

 草彅剛が逮捕されたと報じられたのは、2009年4月23日朝のことだ。

 同日午前3時頃、東京都内の公園で「酔っ払いが騒いでいる」との通報があり、警察官が向かうと泥酔した全裸の草彅が一人で意味不明なことを叫んでいた。

 その場で公然わいせつ容疑により現行犯逮捕された草彅は、連行の際も手足をばたつかせるなどして暴れたため、ビニール製の保護シートを全身に巻かれてパトカーに乗せられている。

 当時の近隣住民の証言

「酔っぱらいが、うわーっと、走りながらほえているような声だった。助けを求めているのかと思った」

「あー、とか、あーもう、とか、ストレスがたまってそうな声だと思った」

 逮捕から5時間後の呼気検査でもかなりの飲酒を裏付けるアルコール分が検出された草彅は、そのまま留置場で一夜を明かし、酔いが醒めたところで全てを知った。

 翌24日の送検後に「罪証隠滅、逃亡の恐れがない」として処分保留のまま釈放された草彅は、そのまま記者会見へと向かう。

「大人として恥ずかしい行動をしてしまい、本当に申し訳ありません」(草彅)

「飲んでいるうちに意識がなくなり、次に意識があったときは警察にいた。夢なのか現実なのか分からない状況で気分がふわふわしていた」(草彅)

 しかし人気アイドルの逮捕はすぐに社会的影響をもたらした。連日の報道だけでなく、レギュラー番組5本、出演CM4本、その全てが差し替えや打ち切りの対応を余儀なくされる。

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SMAPの28年間の活動と、とあるファンの女性の28年間。決して交わることはなかった。でも、支えられていた。そんな両者の紆余曲折の歩みから見えてくる、アイドルの“意味”。アイドル文化が生み落とした新世代の書き手によるSMAPとそのファンのノンフィクション。

この連載について

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SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

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