復讐手帖

夫の浮気に倒れた妻の病室に不倫相手が写真持参で復讐返し<後編>

20代で職場結婚後、妊娠を期に退職したミエコさん(45歳)。20年たって夫はミエコさんと同期の既婚女性と不倫していた。どうやら彼女は昔から夫のことが好きだったらしい。結婚したミエコさんが疎ましかったのか、今になってこんな形で奪うなんて……。そしてミエコさんの面会にも動じない不倫相手。直接バトルが勃発! 行き場を失った女の想いが向かう果てを描いた『復讐手帖』をcakesで特別連載!

ミエコさん(45歳)は夫の会社近くの喫茶店にかつての同僚で夫の不倫相手タカエを呼び出した。
「久しぶりね」。
タカエはふてぶてしく、そう言った。
「別れればいいんでしょ。あなたのダンナが私と別れたくないって言うだろうけど」とも。
とっさにテーブルにあったコップの水、ついでにコーヒーもぶっかけてやったが、気怠そうにタバコを吸って動じないタカエ。とにかくタカエを困らせたい、あの傲慢な女を泣かせてやりたい──。
(前回のあらすじ)
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「この女は家庭のある男と不倫をしています」
「人妻なのに男を騙して、男の妻や家族を泣かせています」
というチラシをミエコさんは自ら作り、タカエさんの自宅近くの家のポストに入れて歩いた。夜中に出かけていって電柱にも貼った。
「そうしたらタカエのご主人から連絡があって……。子どもたちが怯えているのでやめてほしい、と。『私はやっていません』と言い張りましたが……さすがにご主人もこのままではいけないと思ったようですね。『私がやめさせるので少し時間がほしい』って。うちの夫も私が動き出しているのがわかったようで、『あまりおおごとにしないでくれよ』って。誰のせいでこうなってるのよ! と叫んでしまいました」
ミエコさんの行動はエスカレートしていった。
古い記憶をたどり、共通の友人たちにも聞き回って、タカエさんの実家の場所を把握。出かけていって老いた両親に現状を報告した。
「ご両親にも夫とタカエのSNSのやりとりを印刷していって見せました。ふたりとも嘆かわしいと言って同情してくれて。『うちの夫はおとなしい人で、タカエさんに執拗に迫られてしかたなくそういう関係になってしまったと言っています』と言ったら、お母さんが泣き崩れていました。『娘夫婦はあまりうまくいってなかったんです』って。そういう素地があったんですね」

さらにタカエさんのSNSに、
「この女はうちの夫にしつこく迫って寝取りました」
「人妻なのに子どもをほったらかして色恋三昧。夫も嫌がっているのにしつこく迫っているんです」
「ブスのくせにしつこい」……
などと連日、書き込んだ。タカエさんも負けてはいない。
「自分がしょうもない妻だから夫の気持ちが離れるのよ」
「あなた、床下手なんだってね」 などなど書かれたこともある。
SNSでこのように罵倒し合うことは今の時代、決して少なくない。女同士が張り合っているのを周りは楽しんでいただろう。煽る人たちも出てきたので、ミエコさんはすべてのSNSから脱会、新たに別のSNSで別のアカウントを作り、そこでタカエさんの本名を晒して攻撃し続けた。
そしてある日、夫に九州へ転勤することになったと告げられた。
子どもたちのことを考えれば当然、単身赴任だ。
「それですむと思ってるの、と今度は夫婦ゲンカが勃発。私、一度も夫に謝ってもらっていないことが気になっていたんです。夫とはずっと冷戦状態でした。不倫のことをきちんと話し合ってもいなかったし、夫は私がタカエにしていることを話題にはしなかった。お互いに見て見ぬふりをし、私はタカエを攻撃し続けていたんです」
冷戦状態のまま、夫は単身赴任していった。タカエさんは異動にはなったが会社を辞めはしなかった。 「私はひたすらタカエの家に無言電話をかけ、タカエの携帯に『あんた、会社辞めなさいよ』と留守電を入れ続けました。夫とタカエの上司にもまた相談したんです。『ふたりはもう会わないと誓ったよ。そもそも九州と東京じゃそう簡単に会えないだろうし、あなたが九州に行って夫婦仲をきちんと修復させたほうがいい』と言われました。私だけが我慢しろと言われているようで、ショックでしたね」

当時、中学生と小学生だった子どもたちも、両親の仲が不穏になっていることはもちろ ん感じ取っていた。下の娘が一時期、学校へ行かないと言い出したりもしたという。
「夫の浮気が発覚してからの約半年、私は本当に心身をすり減らしました。それでとうとう倒れてしまったんです」
彼女はさすがに、いとこにあたる女性にSOSを出し、子どもたちのめんどうを見てもらった。もちろんいとこには、夫婦の不和を伝えてはいない。

女からの逆襲、さらなる復讐返し……ふたつの夫婦が泥沼状態に

「入院して5日目くらいだったかな、タカエが来て……。彼女のせいでこんなことになっているのに、『どの面下げて来たわけ?』と言ってやりました。彼女は私をじっと見て、『おみやげ』と封筒を置いていったんです。中にあったのは……」

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復讐手帖

亀山早苗

別れた男、不倫相手、夫……。男の裏切り、心変わり、嘘の塗り重ねに、行き場を失った女性たちの想いが”復讐”という形で狂気に変わっていく。独身男女の愛がこじれたとき、夫の不倫を知ってしまったとき、自分自身の不倫の末……など、実際にあった復...もっと読む

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