なぜアラーキーの「日常写真」は鬼気迫るのか

写真界の巨匠、アラーキーこと荒木経惟。彼が被写体や写真そのものと、時間をかけて付き合い続けるためにとった方法とは「日常写真を撮り続ける」ことでした。
美術、写真、文学、建築などのテーマについて作家活動を続けるアートコンシェルジュの山内宏泰さんが、その「美しさ」を探ります。

 本人のキャラクターが強烈だから、ついイロモノのように捉えてしまいがちだけど、荒木経惟ことアラーキーの写真は実際のところ、一枚ずつがひじょうに美しい。

 その美しさは、それぞれの被写体や写真そのものと、時間をかけて付き合い続ける粘り強さに由来するのだ。というのが前回のお話。


日々、空を撮り続けた「空2」より

 時間が写真を美しくするというのがたしかならば、写真家はとにかくまず、写真を撮り続けなければならぬ。どうしたら撮ることを持続していけるか。若き日のアラーキーは、きっとそう自問し続けた。

 そうして見出した方法は、被写体を日常に求めることだった。


ともに暮らした愛猫チロを撮り続けた

何気ないスナップショットを作品にする創始者は、アラーキー

 「スナップショット」とは、日常に起こるあれこれを撮って、それをそのまま作品にする手法だ。
 これは昨今ごくふつうに見かけるスタイルだし、写真作品といえばまっさきにそうしたものを思い浮かべるかもしれない。たいへんポピュラーな写真のあり方。

 が、ものごとには始まりがある。当たり前のやり方も、創始した人はきっといる。私たちが容易にイメージする日常のスナップショットという「型」を日本で定着させたのは、誰あろうアラーキーだ。

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美をさがすのが人生で唯一の目的である

山内宏泰

美術、写真、文学、建築などのテーマについて作家活動を続けるアートコンシェルジュの山内宏泰さん。テーマの根幹にあるのは、「美しさ」でした。美しさとは果たしていかなるものなのでしょうか。毎回、各界でこれぞという人に話を訊きながら、「美しさ...もっと読む

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コメント

rminowaphoto アラーキーには絶対なれない。でもそれが悪いんじゃなくて、自分のレールを自分で走れば良いだけ。 https://t.co/CMoQiNZbbY 3年弱前 replyretweetfavorite

okcom92 |山内宏泰 @reading_photo |美をさがすのが人生で唯一の目的である 写真展にいっぺん行ってみたいなあ。https://t.co/AU60YrEZzz 3年弱前 replyretweetfavorite

blepharismatter まさし:アラーキーはこうやって「日常写真家」になっていくんか。 https://t.co/cmQvVpOStd さとし:ならんやろ! まさし:そやかてここに書いてあるやん。 さとし:間違ってんちゃうけ? まさし:ほな、アラーキーっ… https://t.co/65NuhWHHTa 3年弱前 replyretweetfavorite

HaraKazuo #スマートニュース 3年弱前 replyretweetfavorite