当時、小学生だった田戸ふみの告白に、その場にいた全員が驚くと同時に空気が凍りついた。
(えっ、まさか小学生相手に?)
これまで百鳥悠次郎の乱脈ぶりを暴露しあっていた、サワディ茶話会のメンバーである片山智恵子、助川光子、湊エリカ、猪子由美(猪子由美だけは百鳥悠次郎と身体の関係はなかったが)は、まさかこんな事態になろうとは夢にも思っていなかった。
そして、百鳥ユウカにとってもそれは同じだった。実の父親である百鳥悠次郎が途方もない遊び人で「若い頃の過ち」と一言で片付けられない様相に複雑な気持ちでいた。
そんな場の空気を敏感に察したのか、田戸ふみは
「いえいえ、皆さんのように、その………そういう関係では……」
と言うと、自分と百鳥悠次郎との思い出を話し始めた。
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