年を取ったからといって、思慮分別がつくわけではないのです

63歳でシニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」を立ち上げ、85歳の現在も現役でチアダンスを楽しむ滝野さん。「健康食品は大嫌い」、「医者へはほとんど行きません」、「お肉大好き、コカコーラ大好き」、「一人暮らしサイコー!」と、世のお年寄りのイメージとは、ちょっと違うマインドをお持ちです。たくさんの習い事をし、毎日を忙しそうに笑ってすごす滝野さんに、生活を楽しむコツを聞きました。

派手!と言われてもへっちゃら! 
オシャレは自分のために。

 私にセンスがあるかどうかはわかりませんが、お友だちから「買い物に付き合って、見てほしい」と言われることがあります。  
 私もお買い物が好きなので一緒に行き、「素敵だな。似合うだろうな」と思うものをすすめるのですが、ほとんどの場合、私のアドバイスが聞き入れられることはありません。  
 結局、自分が気に入ったものを買うわけです。

 私の時間を返して!と思わなくもありませんが、ときどきは、私が「絶対、似合うから!」と強くすすめたものが、やはりとても似合って、「この服、すごく褒められるの」という話を聞くことがあります。

 私が選ぶものは、その人が着たことがないようなデザインや色遣いで新鮮なのでしょうし、やっぱり年寄りは多少、派手なものがいいんです。

 私自身の洋服選びは、ほとんどが衝動買いです。  
 数年前には百貨店のセールで目にしたコートに一目惚れ。白地にマティスの絵のようなカラフルな柄があしらわれ、エナメルコーティングされているデザインが効いたものでした。  
 係の人を呼んで「こんな派手なものは絶対に売れないから、まけてくれない?」と言うと、「はいはい」とセール価格からさらに値引きしてくれました。  
 向こうもよほど、「こりゃ、売れない」と思ったのでしょう。セール品をさらに値引させる関西人の面目躍如でしょう。

 また、別のときには、元値13万円のジャケットが1万円ぽっきりになっているのを発見し、「これは、買うしかない!」と即買いしたこともあります。   
 そのジャケットは何色ものネクタイ生地を組み合わせてストライプ模様にしたもので、それを着た私に対し、美容室のオーナーは「よくそんなものが着られるね」と一言。  
 私は地味だと思っていたのに……。

 そんな買い物の仕方をしているので、「今日は絶対にちゃんとしたスーツを買おう!」と思って出かけても、どうしたものか、ヘンな服を買って帰ってくるわけです。   
 だから、お葬式に行くときも、いまだに黒のブラウスやスカートをひっぱりだして黒い装いでごまかす始末。毎回、「いい加減、ちゃんとしなきゃ!」と思い、「今日こそは!」と買い物に行き……ということを繰り返すこと、数十年。  
 いつまでたっても、ちゃんとしたスーツが買えないでいます。

やってみなけりゃわからない

 今、運動と言えるものはチアダンスしかしていませんが、体を動かすことは昔から大好きで、あらゆることをやりました。乗馬に水泳、スケートにゴルフ、ヨガ……。社交ダンスはかなり夢中になったスポーツのひとつです。 「おもしろそう!」と思うと、一度はやってみないと気が済まないたちなのかもしれません。

 70代半ばには、オーストラリアに旅行をし、スカイダイビングにも挑戦しました。スカイダイビングはとても爽快で、今でもライセンスを取りたいと夢見るほどで、みなさんにもおすすめです。  
 実際はものすごいスピードで落ちているのだけど、そういう感じはまったくしません。  
 むしろ、ただただ浮いている感覚。やっぱり、空が大きくて広いからかしら。大空を一人占めです。

 スキューバダイビングは、3回くらいやりました。でも、あまり好きにはなりませんでした。私は近眼なので、メガネを外してゴーグルをすると何も見えないのです。  
 一度やって、「おもしろい!」となれば、度付きのゴーグルを作ったかもしれませんが、水抜きをしなきゃいけないのもうっとうしいし、なにより、水の中の閉鎖的な感じがダメ。  
 どこかに恐怖心がずっとあって楽しめず、スキューバダイビングにはハマりませんでした。

 乗馬にハマって、短大から四年制大学へ編入する私ですから、一度、ハマるとがぜん、盛り上がります。  
 でも、ハマるかハマらないかは、やってみなければわかりません。  
 小さな好奇心でもとりあえず、やってみるとそこから広がっていくことって、結構あるものですよ。

「後先」や「段取り」は考えない

 その小さな好奇心から、東京マラソンに申し込んだことがあります。   
 常々、チアだけでは運動不足だと思っていて、「マラソンは実際に走ってみるとハマる」と言うし、「ハマったらラッキー!」と考えたのです。  
 でも、抽選に申し込んだ時点でマラソン経験はゼロ。もちろん、ランニングの趣味もありません。  
 結局、東京マラソンの抽選は外れたのですが、もし当選していたらどうしていたのかしら?

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85歳のチアリーダー

滝野文恵

「何歳からでも人生は楽しくできるのよ!」 滝野文恵さんがシニアダンスチーム「ジャパンポンポン」を立ち上げたのは63歳のとき。85歳になる現在も現役で、華麗にステップを踏み、ターンを決める。「良妻賢母」の枠にとらわれて苦しんだ時期を乗...もっと読む

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コメント

sukekyo こういう人生楽しんでる系の長生きの人はよく教訓めいたことを言うけど、実のところ「運がいいだけ」だと思うわ。それは素晴らしく羨ましいことだけど参考にはならない。 3年弱前 replyretweetfavorite