小さい子供を持つ親御さんの多くが、「この子の個性を伸ばしてあげたい」と望みます。少し大きくなると、子供たち自身が「私の個性って何なのかわかりま せん」「もっと個性を出してPRできるといいのだけれど……」と、このつかみどこ ろのない〝個性〞をどう表現していいか悩みだします。
〝個性〞とはいったい、どんなものなのでしょう。
私たちは、ジョビィキッズの活動を通してこれまで約2万人の子供たちと接してき ましたが、個性とは本来、どの子でもすでに持っているものです。本当に一人一人に 違いがあり、その個性にはいいも悪いもなく、いま、彼らがやりたいこと、表現した いことのなかに映し出されています。
私自身、子供の頃は、いつか大人になったら、もっと別の自分になれるのではない かと思っていたものですが、大人になっても根本的な部分は変わらないことを知りま した。これからも変わることはないでしょう。昔から「三つ子の魂百まで」と言われ ているように、それは成長とともに変えていけるものではないのです。
ただ、何も変化がないのかというと、そうではないと思います。人生を歩んでいく なかでは影響力のある人と出会ったり、心をふるわせるような本や映画などに巡り合ったりしますが、そういう経験を積み重ねることで一人一人が内に秘めている個性や生き方に磨きがかかり、その輝きが増していくのだと思います。