竹元正美
「
宮中祭祀」ってなんのこと?
宮中祭祀とは天皇が国の安寧と国民の幸せを祈念するために宮中で執り行う祭儀です。宮中祭祀の中でもっとも重要とされているのは新嘗祭・大嘗祭ですが、これらはどういう謂われがあり、どこで行われているのでしょうか?
宮中祭祀とは天皇が国の安寧と国民の幸せを祈念するために宮中で執り行う祭儀(神々や祖先を祀り、祈ること)で、皇居内にある宮中三殿や神嘉殿、各地の山陵で行われます。年間約三〇件以上の宮中祭儀がありますが、新嘗祭・大嘗祭を除くとその多くが明治以降に行われるようになりました。
宮中祭祀の中でもっとも重要とされているのが新嘗祭・大嘗祭で、その起源は『古事記』『日本書紀』に天照大御神が行ったと記される「新嘗の祭」に由来します。七世紀中ごろまで新嘗祭と大嘗祭の区別はありませんでしたが、天武天皇のときに大嘗祭は一世に一度行われる、きわめて重要な皇位継承の儀式、新嘗祭は毎年行われる祭祀とされました。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
18720
false
この連載について
竹元正美
今上陛下の退位、眞子様のご婚約と話題に欠かない皇室。いま国民の関心は高まっています。しかしながら、わたしたちは皇室のことをどれだけ知っているのでしょうか? 外国人に皇室のことをきちんと説明できるのでしょうか? 本書は東宮侍従として皇室...もっと読む
著者プロフィール
昭和20(1945)年、長野市生まれ。早稲田大学法学部卒。昭和45年、外務省
入省。米国ドゥルー大学大学院修士号取得(国際関係論)。昭和61年、宮内庁
東宮侍従。皇太子・同妃両殿下のご訪米、礼宮殿下のブラジルご訪問にお供
した。平成2(1990)年、外務省儀典官として即位の礼に参列する外国人賓客
の受け入れ準備に当たる。タイ大使館公使及びスペイン大使館公使時代には、
天皇皇后両陛下の公式ご訪問をそれぞれ現地でお迎えした。ホンジュラス大使
時代の平成15(2003)年、紀宮殿下の同国ご訪問を現地でお迎えした。平成16
年、宮内庁式部副長。ウルグアイ大使時代の平成20年、高円宮妃殿下を現地
でお迎えした。平成23年、外務省退職。現在、一般社団法人「国際文化教育
協会」理事長。著書に『「米百俵」海を渡る』(日之出出版)、電子書籍の『我
は日本人なり』(オモイカネブックス)がある。