「山田さんは何ができるの?」「英語ができます」で、視界が開けた
藤野 立ち上げたベンチャー企業がつぶれてしまった後、山田さんはハローワークに通ってたんですか!
山田 はい。ちゃんと担当の方と面談して、求職活動していました。会社が潰れたとはいえ、役員クラスは自己都合退社になるので、3ヶ月間は失業手当が出ないんですよね。だから、その3ヶ月はハローワークに通って、ちゃんと求職活動しましたというハンコをもらっていました。
藤野 いやあ、窓口の人もびっくりだったんじゃないですか、山田さんみたいな人が来たら。
山田 大学もいいところを出ていて、大企業に勤めていたのに、こんな年齢で求職活動してるなんて、何か人間的に問題があるんじゃないですか、と訝しげに見られました(笑)。当時は今ほど失業問題も取り沙汰されていなかったし、景気も良かったですからね。
当時のことで心に残ってるのは、「山田さんは何ができるの」と聞かれたことです。
藤野 ほう。
山田 そりゃ聞きますよね。僕も逆の立場だったら、職業を斡旋するために、何ができるのか知っておきたいです。それは、松下通信工業に勤めていたとか、海外のベンチャー企業で事業部長をやっていたとかそういうことではなく、具体的に何のスキルがあるのか、ということなんです。
藤野 それを聞かれたら困ってしまうサラリーマンは、たくさんいそうですね(笑)。山田さんはなんて答えたんですか?