可愛いわが子が失敗して落ち込む姿を、親は見たくないものです。できることなら失敗せずに、世の中を渡っていってほしい。そう願って、なるべく平らな道を歩かせたいと思うのは、ある意味、親心かもしれません。
けれど、幼児期が過ぎればやがて社会生活が始まり、子供は学校や塾での競争や人間関係の中に身を置くことになります。そしていずれ社会に出たら、生きていくなかでさまざまな失敗を繰り返し、何度も挫折感を味わうことでしょう。
子供たちのやることには、うまくいくこともありますが、そうでないことが大半です。でも、それでいいのです。失敗することは決して悪いことじゃない。何かに挑戦したからこそ失敗があるわけで、失敗を恐れて何もしなければ進歩もありません。失敗はあくまで通過点。成功に、そして成し遂げたいことにつながる一歩なのです。
受験やオーディションなど明確に合否のわかれるものは、不合格と知ると、そこに留まっていつまでも悔しがっている人がいますが、長い目で見れば不合格だって意味のあること。長い人生においては通過点でしかないのです。むしろ、親が「ダメだったから失敗」という固定観念を子供の脳に刷り込んでしまうことのほうが、はるかに危険な気がします。
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