子どもは「かすがい」なんかじゃなく、夫婦仲を切り裂く存在

「子はかすがい」という言葉があるように、子どもの存在は、夫婦仲を保つものだとされています。しかし、下田美咲さんは「子どもはカップルにとって"かすがい"なんかじゃなく、むしろ、2人の仲を切り裂く存在」と主張します。一体どういうことでしょうか?

「子はかすがい」と言うように、一般的に子どもは夫婦の絆をより深めるものだとされている。

私自身も、28年間ずっとそうなのだと思っていた。カップルが2人の間に子どもを持つことは、ラブラブカップルとしてレベルアップすることであり、男女として進展することであり 、究極の関係になるためのステップが子作りなのだと。夫婦は子どもを持つことで、もっともっと相手と近づけて、子どもはカップルの愛を仕上げる存在なのだと考えていた。

それがとんでもない勘違いであることに気づいたのは、子どもを産んだその日のことだった。生まれたばかりの子どもを2人の間に挟んで夫婦の幸せな時間を過ごしていた病室で、早くもそのことに気づいた私は、正直あまりにもビックリして、その場で泣いてしまった。旦那さんは妻の突然の号泣に、一体何泣きなのか分からず困惑していた。

あの時の私はまだ、その悲しさについて詳細な説明ができるほどには自覚も解析もできていなかったのだけれど、出産から2ヶ月半経った今、かなりハッキリと語れるところまできたので今日はそのことについて説明したいと思う。

赤ちゃんがいると、夫とラブラブできない

子どもはカップルにとって「かすがい」なんかじゃなく、むしろ、2人の仲を切り裂く存在だと思う。究極のカップルクラッシャーが、子どもだ。

理由は複数あるのだけど、まず物理的なところで、子どもがいるとできなくなるラブラブなコミュニケーションがありすぎる。

子どもが生まれる前、家での私の定位置は、常に旦那さんの体の上だった。私はいつでも彼のことを背もたれにし、椅子にし、敷布団にしていた。彼の上で寛ぐ時間が大好きだった。

しかし、子どもが生まれた瞬間から、その時間の9割が失われた。大抵どちらかが子どもを抱いているから、それができない。子どもを抱いているのが私であれ彼であれ、そのタイミングでは、思うままに抱きついたり、ドーンと乗っかったり、そんなことをして子どもにぶつかったり子どもを落としてしまったりすると危ないから、そっと隣に座ることくらいしかできない。

セックスにしてもそう。まず産後のセックスが処女喪失なんてもんじゃないくらいの激痛を伴う鬼門であることも大きな問題だけれど、それを抜きにしても、赤ちゃんはかなりの頻度で起きてきては泣く。そうするとかなりの高確率でセックスが中断されてしまう。

それから、たとえば外出時の習慣も、産前と産後では随分と変わってしまう部分がある。子どもが生まれる前、私たちはいつも手を繋いで歩いていたし、背の高い彼はよく、歩いている時に不意に私の頭にキスをしてくることがあって私はそれが大好きだったけれど、子どもが生まれてからはどちらかが必ずベビーカーを押しているので手を繋げなくなったし、ベビーカーを押しているときにベッタリと真隣に人が歩いていると邪魔なので、半歩くらいの距離を空けるようになり頭にキスの文化も失われた。

常に子どもが一緒にいることで、私たちの日々に大量にあったラブラブな習慣の大半が、物理的に難しくなった。気持ちは少しも変わっていなくても、物理的に、あれもこれもそうもいかなくなり、できなくなった。これはラブラブな二人にとって結構かなりの損失だ。

それ以上に深刻な「子どもがいなかったら発生しなかったケンカ」

とはいえ、これはまだ「まあでも、また子どもが育ったら元の2人に戻ろうね」で済む話ではある。思うようにくっつけない時期が数年間もあるのは、なかなかすごく寂しいことではあるけれど、2人の仲を切り裂くほどのことではない。

物理的にラブラブが奪われること以上に夫婦仲が壊れるリスクとなるのは、子どもがいなかったら発生しないケンカが大量発生するところにある。

まず、子育てというのは、子を想う親にとって少しも妥協や譲歩のできないプロジェクトだ。

そんなプロジェクトを、夫婦と言えど違う価値観を持つ他人と共有する。そもそもがすごく難しい。モメるに決まっている。

子どもに関することで「ちょっとそれはどうなの」と思うことがあれば片っ端からぶつけていくことになるわけだけど、とにかくその機会が山ほどある。

生まれたての赤ちゃんのデリケートさは育てていて恐くなるほどで、たとえば揺さぶり症候群なんて、揺らしただけで死んでしまうというのだから、変なあやし方をしたら死んでしまうかもしれない。

オムツの替え方が悪かったせいで股関節脱臼になったら大変なことだし、親の言葉の使い方は子どもの価値観にものすごく影響してしまうから、普段からそのつもりで話す習慣を持たないとまずい。

見本になってしまうのだから人に嫌われるような言い回しは避けるべきだし、子どもは全てを真に受けてしまうのだから意地悪な冗談は言うべきではない。

私たちのせいで体育の授業に参加できない体にしてしまったら可哀想だし、生きることに苦労するような性格にしてしまったら申し訳ない。恐ろしいことに親にはそれだけの影響力がある。私たち親の一挙一動が、子どもの人生に取り返しのつかない影響を与える。

だから、我が子の親の一人である彼の言動に気になることがあれば、私はうるさいほどに突っ込まなくていけない。

そんな風に抱っこしないで、オムツをかえる時に足は絶対に引っ張らないで、あやし方が激しすぎる、そういう誤解を招く言い方しないで、その価値観は子どもの前では語らないで。

子どもにまつわることは一つ一つがあまりにも大事なことだから、その他のことみたいに空気を優先して穏便な選択をしたり、バランスを考えて譲ってあげたりすることができない。

さらに、子どもによって発生するモメ事は、子どもにまつわることだけではない。

産後一ヶ月の間のものすごいストレス
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コメント

apce70 釣られるな…!見え見えのどでかい釣り針に引っかかるんじゃないぞ私…! https://t.co/ddGfNWejWM https://t.co/gfFB1HfN9u 10日前 replyretweetfavorite

yukikoseno 妻の代打として夫に家事をやってもらっているうちは、少なくとも家の中においては夫婦がフェアでいられないと思うんだよね。 https://t.co/68DPgZE7Re 11日前 replyretweetfavorite

kumaoma 同意はしないけど、分かる。 ただ、これから再構築して行けば良いし、多分そうして行くと思うし、そうなる事を祈る。 11日前 replyretweetfavorite

mikakofuse 強く同意。というか同意しかない。 11日前 replyretweetfavorite