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インドのエリート女性は本当にスゴい
男女格差の大きさを示す「ジェンダーギャップ指数」で日本は世界最低クラスの111位ですが、インドはその上の87位です。
これは、そのインドでの話です。
タージ・マハルで知られる北インドの古都アーグラに、「シェローズ・ハングアウト」という小さなカフェがあります。ここでは、アシッド・アタックによって顔に重大な傷を負った女性たちがはたらいています。アシッド・アタックはインドをはじめ南アジアで頻発する、若い女性の顔に硫酸・塩酸などの酸(アシッド)をかける犯罪行為のことです。
インドだけでなく、封建的なムラ社会はどこも、女性は父親の許可のない男性と交際することが許されません(日本も戦前まではそんな社会でした)。結婚はイエとイエの「契約」で、自由な結婚など想像もできず、女性は適齢期になると、本人とは関係のないところで、どの男性と結婚するかが双方のイエによって決められます。それを受けて男性は女性に求婚し、女性はそれを無条件に受け入れなければなりません。
この求婚を断ることは、相手の男性だけでなく、イエの面子をつぶすことにもなります。
いったん面子をつぶされると、なにかの方法でそれを回復しなければ、ムラ社会のなかで生きていくことはできません。求婚を断られた男は、一生笑いものにされるくらいなら、どんなことでもするでしょう。このとき面子を回復する“正当な”報復行為がアシッド・アタックなのです。
アシッド・アタックの悲劇を知れば、「そんな国が日本よりずっと男女平等だなんてありえない!」と叫びたくなるでしょう。たしかにそのとおりで、インドと日本を比べて、「インドに生まれればよかった」と思う女性がいるとはわたしにも思えません。
ではなぜ、「ジェンダーギャップ指数」でインドは日本よりずっと上なのでしょうか。それにはちゃんと理由があります。インドと日本では、「国のかたち」がまったくちがうのです。
インドは、一流大学を出て官庁や大企業に就職した高学歴層と、それ以外のひとたちのあいだに、まるで別世界のような階級のちがいがあります。
インドの農村部では、女性は自由恋愛はもちろん高等教育を受けることも許されず、地元の警察はアシッド・アタックの犯人を逮捕しようとせず、仮に裁判にかけられても微罪ですんでしまいます。女性の権利などないも同然ですから、日本よりものすごく遅れています。
ところがその一方で、エリートの世界はかんぜんな男女平等で、日本よりはるかに進んでいます。
インド旅行では長距離列車が定番でしたが、いまは格安航空が主流になりました。わたしもよく使いますが、このあいだの旅では、3回飛行機に乗ったうち2回は副操縦士が女性でした。
銀行に行けば支店長席に金や宝石を身につけた女性が座っているし、高級ホテルではブランドもののスーツを着た女性マネージャーが男性の部下に指示を飛ばしています。
政治の世界でも女性の大臣や州首相は当たり前で、はやくも1966年に、初代首相ネルーの娘インディラ・ガンディーが首相に就任しました。
この「エリートの世界」を数値化すると、日本よりずっと“男女平等”になるのです。
出産したら「もう終わり」な日本
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