前回、お金を貯められる人、貯められない人の違いは、お金の使い方にメリハリがあるかどうか、という話をしました。これは忘れてはいけないことですが、強制的に貯める仕組みを作るということも、貯金をするうえで有効な手段です。今回は、「貯める仕組みづくり」についてお話していきましょう。
先取り貯蓄をしよう
「給料が振り込まれると、あるだけ使ってしまう」という人は、給与が入ったときに強制的に貯蓄をしてしまうという手段があります。いわゆる先取り貯蓄です。
前回、自分のお金の使い方を「消費」「浪費」「投資」の3つに分けて考えてみようとお伝えしましたが、自分の将来につながる「投資」として使いたい支出は収入の25%です。たとえば、手取りが20万円の人であれば、5万円です。そのなかから、60%を貯蓄にまわすのが理想です。5万円を投資額として確保したならば、3万円を貯金にまわし、残りの2万円で習い事をしたり本を買うなどして、将来に役立つものに使うというわけです。 貯蓄にまわす金額に関しては、可能であれば前回もお伝えしたように、手取り月収の6分の1を貯蓄にまわせるとベストです。
先取り貯蓄で一番手っ取り早いのは、社内預金や財形貯蓄で給与天引きを利用する方法です。自分の会社にこうした仕組みがないかどうか確認してみましょう。
もし社内になければ、天引き貯金のように自動的に貯金してくれる銀行の自動積立定期預金を利用するのがよいでしょう。窓口での手続きが大変であれば、今は24時間いつでも利用できるネット銀行が便利です。 これらの銀行では、毎月1000円程度から自動積立貯蓄ができ、窓口のある銀行よりも金利が少し高めというメリットもあります。キャンペーンなどを利用すると0.1%以上の金利が付くこともあります。
ただし、ネット銀行はお金を引き出すときに手数料がかかる場合もありますので、口座開設から始めようという方は、複数の銀行の利用条件を比較して、自分がよいと思えたところを利用しましょう。
なお、銀行によっては、他行口座のお金を、その銀行の自動積立定期預金に入金するというサービスもあります。給与口座と自動積立定期預金の口座が別でも自動積立定期預金が気軽にできるというわけです。口座にお金を入れ替えることが手間だと思う人には便利なシステムです。
支出を減らすのに効果的なのは固定費カット
このようにして、お給料が入ったら、貯蓄の理想額、収入の6分の1のお金をあらかじめよけ、残ったお金でやりくりするようにします。「それでは生活費が足りなくなってしまう」と心配になるかもしれませんが、所得が下がったつもりで上手にやりくりすれば、なんとかなるものです。ここからは、支出を減らす方法や上手なやりくりのポイントをお伝えしていきましょう。
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