世の中には、実にいろんなモノが売られています。どんなモノも万人のために作られて売られているわけではありません。必ず特定の誰かのために提供されています。その誰かを「ターゲット」と呼ぶことは、以前、説明致しました。
例えば、ぼくは寒い冬に薄手だけれども温かい下着を買ったことがあります。店員の人に勧められて、これにしようと思って、会計を済ませている最中に、その下着のパッケージを改めて見ると、なんと「加齢臭対策バッチリ!」と書かれていました。なんとも失礼な話じゃないですか。しかし考えてみると、中年の男に下着を売る場合には、「加齢臭対策」がなされていることは、大事なアピールポイントなのかもしれません。
誰かのために提供されているということは、逆に言えば、ターゲット以外の人のためには提供されていない、ということです。ぼくが買った下着は、明らかに若者のためのモノではないのです。なぜならば若者は加齢臭対策など不要だからです。
では、モノを売るマーケターは、どのようにしてターゲットを決めているのでしょうか?そこで出てくるマーケティングの基本的な考え方が、STPというものです。STPとは、「セグメンテーション」(Segmentation)と「ターゲティング」(Targeting)と「ポジショニング」(Positioning)という3つのことばをまとめたものです。
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