物量、スケールともに飛び抜けた展覧会。それが開催中の「安藤忠雄展 −−挑戦−−」だ。
東京・六本木の国立新美術館 12月18日(月)まで開催
主にコンクリートによって造られる安藤建築は当然ながら無機的なのだが、そこに圧倒的な熱量を感じ取れるのは不思議だ。建築の一つひとつに何かが宿っていて、観る側のわたしたちとエネルギーの交歓ができているとはっきり感じさせる。
なぜそうしたことが可能なのか。建築を志しておよそ半世紀。どんなものを築いてきたと、自身では捉えているのだろうか。
「こういうものをつくりたいという具体的なかたちやイメージが、あらかじめ私の中にあるわけじゃありません。そこに人が集まり、その人たちの魂に残るものをつくりたい。考えているのはそれだけです。