いま、建築がおもしろい。
心からそう思わせる展覧会が、国立新美術館での「安藤忠雄展 −−挑戦−−」。
東京・六本木の国立新美術館 12月18日(月)まで開催
かくも名を成し、だれもが存在をよく知る建築家なのだから、いざ個展を開くとなれば大回顧展であっていいはず。ところが今展は、大家の業績を恭しく観覧するようなものとは趣が異なる。
展示セクションごとに驚きがあって、見方を固定しない生々しさがある。なんというか、この場で生成されていく現在進行形の展示になっている。生きて動いている何かを見せつけられるような感覚がある。
「それはそうです、タイトルの通りこれもひとつの『挑戦』ですから。そもそも建築の仕事というのは、いつだって闘いを挑むようなもの。建築をつくる土地を知り抜き、関係者や施工業者と仕事の進め方を詰め、クライアントと話し合いを尽くす。格闘の連続です。仕事とはそういうものなのですから、今回の個展に対しても全力で挑み、格闘したまでです」
当の本人がそう熱く語る。
たとえば展示は前半、これまで手がけてきた住宅の仕事を通覧できるようになっている。
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