香取慎吾が初めて時代劇に出演したのは中学3年生の頃だった。
1992年にNHKで放送された「腕におぼえあり」第1シリーズ、その制作発表は彼の15歳の誕生日である1月31日に行われている。
すでにSMAPとしてCDデビューを果たしていた香取は、仕事に追われる中でついに高校の入学試験を受けられず、その後入学した通信制高校も1か月ほどで中退の道を選んでいる。同級生が新生活に胸を躍らせている頃、15歳の社会人は衣裳部屋でふんどしを巻かれていた。
「ふんどしのシーンがあってそれをつけるのに衣裳部屋へ行ったら、衣装のおじさんがいきなり〝じゃ、そこで脱いで〟って。躊躇してたら急きたてられ、結局、全裸でふんどしを巻かれる」
「NHKのトイレにこもり、〝どうやったら今日という日が終わるんだろう〟、〝今、何をすればここから帰れるんだろう〟とひたすら考えてました」
香取が2004年のNHK大河ドラマ「新選組!」で主役の近藤勇を演じることが発表されたのは、それから11年後のことである。
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