香取の足は動かない。「何で引き受けてしまったんだ。もう耐えられない」

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、29回目。2004年、SMAP唯一の20代となった香取は、多様かつ過密なハードワークの中、大河ドラマ「新選組!」への挑戦を決める―。

 香取慎吾が初めて時代劇に出演したのは中学3年生の頃だった。

 1992年にNHKで放送された「腕におぼえあり」第1シリーズ、その制作発表は彼の15歳の誕生日である1月31日に行われている。

 すでにSMAPとしてCDデビューを果たしていた香取は、仕事に追われる中でついに高校の入学試験を受けられず、その後入学した通信制高校も1か月ほどで中退の道を選んでいる。同級生が新生活に胸を躍らせている頃、15歳の社会人は衣裳部屋でふんどしを巻かれていた。

「ふんどしのシーンがあってそれをつけるのに衣裳部屋へ行ったら、衣装のおじさんがいきなり〝じゃ、そこで脱いで〟って。躊躇してたら急きたてられ、結局、全裸でふんどしを巻かれる」

「NHKのトイレにこもり、〝どうやったら今日という日が終わるんだろう〟、〝今、何をすればここから帰れるんだろう〟とひたすら考えてました」

 香取が2004年のNHK大河ドラマ「新選組!」で主役の近藤勇を演じることが発表されたのは、それから11年後のことである。

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この連載について

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SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

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コメント

kuwatango 慎吾ちゃん!(TT) 3年弱前 replyretweetfavorite

kimitakanomono 涙が出ました。こんなに大切な場所。彼に戻して‼ #スマートニュース 3年弱前 replyretweetfavorite

twinkle24_7 真面目なんだろうなー。 えらいなー。(小並感) 3年弱前 replyretweetfavorite

yukimin169 #わりといい話だよ、慎吾くん 3年弱前 replyretweetfavorite