本物のエンターティナーになるのは三十歳をすぎてからじゃなくては無理なんだ」

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、28回目。アイドルが直面せざるを得ない年齢という「線引き」。アイドルとして、エンターテイナーとして、その分岐点に彼らは立っていたー。

 このSMAPにとっての2002年から2003年における1年は、曲との出会いはもちろん、ちょうどもう一つの節目を迎えていたタイミングでもある。

 稲垣の復帰と時を同じくして、最年長の中居と木村は30歳に、そして最年少の香取は25歳になっていた。

 ここに不思議な偶然を感じるのは、SMAP以前のジャニーズアイドル史を紐解くと、その多くが「25歳」を迎えるあたりで自身の変化と対峙しているということだ。

「デビューしてから大人になるひとつのターニングポイントは、二五、二六歳ではなかったかと思う。その年齢を境に歌う曲も徐々に変化していった」(田原俊彦)

「デビューから五年ほどたつと、『少年隊』として僕らは思い始めた。自分たちの本当にやりたいことをやりたい、と。ちょうど自信がついてきたころでもある。スタッフは年齢に合った大人びたシックな曲を用意してくれた。それでも、自分たちの手で何かを生み出したいという願望が強くなっていた」(少年隊・東山紀之/デビュー時19歳)

 実は光GENJIで一番最初に脱退の意思表示をした大沢樹生も、その決断の時期はちょうど25歳になる直前だった。

 そしてジャニーズ事務所からデビューし、その後移籍の道を選んだ郷ひろみも、25歳の時に事務所移籍のきっかけは成熟に関する考え方の相違であったと告白している。

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SMAPの28年間の活動と、とあるファンの女性の28年間。決して交わることはなかった。でも、支えられていた。そんな両者の紆余曲折の歩みから見えてくる、アイドルの“意味”。アイドル文化が生み落とした新世代の書き手によるSMAPとそのファンのノンフィクション。

この連載について

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SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

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コメント

drifter_2181 【なお前回更新分は木曜日まで無料です】 2年弱前 replyretweetfavorite

marekingu #スマートニュース 2年弱前 replyretweetfavorite

h_mimi0818 だからSMAPから離れられない 2年弱前 replyretweetfavorite

smarashic 「 本物のエンターティナーになるのは三十歳をすぎてからじゃなくては無理なんだ」 https://t.co/0jD0QzF2O4 2年弱前 replyretweetfavorite