Lifeが支えるメディアの未来

サラリーマンのままゲリラ戦をやる楽しさ—長谷川裕プロデューサーインタビュー後編

出版志望だったにもかかわらず、「出版では自分は埋もれてしまうかもしれない」という懸念から、放送業界に飛び込んだ長谷川裕プロデューサー。「大人が部室トークできる場所」として作ったLifeには、変動するメディア業界全体の未来を考えるうえで役立つヒントが詰まっていました。

難しい内容でもリスナーはついてくる

加藤貞顕(以下、加藤) 長谷川さんはTBSに入ってからずっとラジオに携わっているんですか?

長谷川裕(以下、長谷川)  いや、最初はテレビの方でした。テレビ局に入った訳ですから、ラジオの制作に携わることは入社当時はほとんど考えていませんでした。

加藤 そんな長谷川さんが、こうやってラジオ業界でばりばり働いてラジオのプレゼンスを高めることに尽力しているのには、単にラジオに配属されたことにとどまらない理由があると思うんですが、いかがですか?

長谷川 そうですね。スタンバイ(『森本毅郎・スタンバイ!』)での経験が、ラジオ業界で生きていることに大きく影響しているのは間違いありません。

加藤 『文化系トークラジオ Life のやり方』(TBSサービス)でも、森本さんの番組でいろいろなことを勉強したと書かれていましたね。

長谷川 まず驚いたのは、スタンバイがとても高いレベルの内容を毎日放送していたことです。当時僕がコンビを組んでいたコメンテーターは、山縣裕一郎さんといって、当時は週刊東洋経済の編集長で今は東洋経済新報社の社長をされているんですが、あの頃のスタンバイはそれこそ週刊東洋経済レベルの内容でした。

加藤 スタンバイのメインターゲットはどのあたりなんですか?

長谷川 普通のサラリーマンですよ。

加藤 東洋経済って、普段から投資や経済に興味のある人じゃないとけっこう難しいことが書いてありますが、そういうテーマをラジオでやるのは大丈夫なんですか?

長谷川 それが大丈夫だったんですよ。スタンバイは、僕が入った時から同時間帯の聴取率ではずっとトップです。テレビの現場では、ちょっと専門的な企画を提案すると「そんな小難しい内容、誰が見るんだよ!」と突き返されることが多かったので、衝撃でした。

加藤 難しい内容でも受け入れられるのは、テレビとラジオの性質が違うからなんでしょうか?

長谷川 テレビかラジオかというよりも、森本さんを始め番組スタッフがハイレベルな内容をリスナーに届けるために努力をしていたことが大きいと思います。
 森本さんは本当に、いろいろなことをスルーしない人なんですよ。「こんな言い方じゃ伝わらない」「これはどういう意味?」と、納得いかないことをきちんと追及する。分かりやすく伝える努力をすればリスナーもきちんとついてきてくれるんだ、ということを森本さんから学びました。それでラジオの現場の面白さに気付いたのが、今につながっていますね。

加藤 なるほど。スタンバイの経験があってこそ、今の長谷川さんがあるんですね。

大人が部室トークできる場所をつくりたかった

長谷川 実はLife自体の着想も、スタンバイのあるコーナーがきっかけです。

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Lifeが支えるメディアの未来

長谷川裕 /cakes編集部

日曜深夜という時間帯でありながら、根強い人気を持つラジオ番組「文化系トークラジオLife」。鈴木謙介さんを始めとする個性豊かなパーソナリティたちとともに、番組を支える“黒幕”長谷川裕プロデューサーにインタビュー。

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kikuchigumi 読了。有料記事が5/28~5/31まで無料公開 #denpa954 5年弱前 replyretweetfavorite

wb4th 面白かった  5年弱前 replyretweetfavorite

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