人生の幸福度・裕福度は「質問のうまさ」に比例する!【後編】

質問を制するものは、人生を制する。質問は、相手から欲しい情報を引きだすためだけでなく、協力や合意を得たり、納得してもらったりする場合にも、実は鍵になっています。ではどうすればこの「質問力」を高めることができるのでしょうか。「超一流できる人の質問力」連載中の安田正氏にその極意を聞いてきました。本日公開の連載記事もあわせてご覧ください。ガンコな相手が素直にミスを認める、おどろきの質問テク


前編に引き続き、新刊『超一流できる人の質問力』について伺いたいと思います。質問に関する本は書店でもいくつか売られているようですが、そういった本とは何かが違うのでしょうか?

安田 おっしゃるとおり、世の中には質問のテクニックに関する書籍があふれています。ですが、私はつねづね、こうした本に物足りなさを感じてきたんですよ。

—それはなぜでしょう?

安田 どの本も、著者の方々がテクニックを思い思いに並べているだけで、どのようなシーンでそのテクニックを活用できるのかわかりづらいんですよ。読み物としてはいいのかもしれませんが、実用性に欠けるのです。

—なるほど。

安田 今回の本で、一番こだわったのはそこでした。つまり、実用性です。日頃ぶつかりがちな「質問に関するお悩み」をを20項目厳選し、ケーススタディ方式で問題点を探って、解決策をズバリ提示しています。

質問には「絶対的なルール」が存在する

—確かに「質問がブーメランで返ってくる」とか「相手が言い訳しかしない」とか、状況がすごく具体的ですね。「あるある」というか。

安田 ここで紹介したのは、誰もが取り入れて実践できる「絶対的なルール」です。「わたし(安田)は質問するのが得意だから、みんなわたしのマネをするといいよ」という本ではありません。そもそも、誰かのマネをするのは危険なんです。たとえば黒柳徹子さんなんかも、世間的には「聞き上手」のイメージがあるかもしれませんが、実際にやってらっしゃるのは「意見の押し売り」に近い部分がある。「え、あなたってこうなんでしょ?」みたいな。そこで相手の苦笑を引き出して答えさせる、いわば反則技ですよね。普通の人がマネしていいものではない。

—黒柳さんのキャラクターがあるからこそ、辛うじて成立していると。

安田 明石家さんまさんも、質問はうまくないですよね。いい質問をすると場は自然と湧くものなんですが、明石家さんの場合は自分で笑って場を湧かしているところがある。私の見たところ、テレビに出ている方で、質問の絶対法則を体得していたのは島田紳助さんだけ。あの人はいろんな状況のなかで、相手に「こういうことを答えさせよう」というのをピンポイントで引き出すことができた。それを自然にやってのける、質問の天才だったと思います。

日本人は「Why?」にもっと慣れなくてはならない

安田 前回、日本人は“自問自答”をしないという話をしましたけれど、そうやって自分に質問する習慣をつけていないものだから、他人に質問されたときにビビってしまうんですよね

—確かに、質問されると、ちょっと身構えてしまうところがありますね。

安田 そうでしょう。ぼくも若い頃、こんなことがあったんです。ハワイに行ったときに、ひょんなことからノースウエスト航空のCAさんと仲よくなったんですね。リンダっていう、新卒のすごくきれいなCAさん。そのリンダさんと、伊勢佐木町のバーで飲んでいるときに、酔っぱらった勢いで「アイラブユー」って言っちゃったんです。すると、彼女なんて言ったと思います?

—サンキュー、とか?

安田 「Why?」って言ったんです(笑)。これ、日本人的にはアウトじゃないですか。「好きなんだけど」って言って「なぜ?」って返されたら。

—それは……完全に脈なしと判断しますね。

安田 「ごめん、酔っぱらって調子に乗っちゃった」って逃げるしかないでしょ? でも、そうやって聞くのが、彼女たちアメリカ人のクセなんです。当時のぼくは知らなかったけど。

—別に拒絶されてるわけじゃなかったんですね。

安田 そう。だから「Why?」って聞かれたときに、食事の好みがとても似ているとか、きみと一緒にいるととてもcomfortableだとか、そういった答えを言えるとよかったんですよね。そしたら、「私もそう思ってた」とか言って、もっといい雰囲気になれたかもしれない。でも、そのときのぼくは拒絶されたと思ったんです。そのあと彼女が何回か電話をくれたんですが、気まずいから出られなかった(笑)。小心者でしたね。

—「Why?」という質問に慣れていなかったがゆえの、ほろ苦い記憶ですね。

安田 『超一流できる人の質問力』でも書きましたが、「Why?(なぜ?)」という質問は、根本原理のすごく深いところを突く質問なんです。だから、とくに相手が日本人である場合、「なぜ?」を多用することは勧められません。相手が答えに詰まってしまいますからね。とはいえ、「なぜ?」という質問に慣れていないことが、日本人の思考能力をすごく浅いものにしているのも事実。もっと日頃から、自分に「なぜ?」を問う習慣をつけたいですよね。

超一流 できる人の質問力 人を動かす20の極秘テクニック

メモをしながら質問すれば、相手と一体化できる

—訓練によって、質問はうまくなるものでしょうか?

安田 先ほども言ったとおり、質問には絶対的なルールがあります。このルールにしたがって質問する習慣をつければ、誰でも質問の達人になれます。「質問がうまい」というのは、選ばれた人々だけが持ち合わせている才能などではありません。

—質問って、相手によっては答えがいろいろな方向に広がっていくじゃないですか。すると、途中で「あれ、自分はいったい何を聞こうとしていたんだっけ?」と、立ち往生してしまうことがあります。

安田 それは会話の本流を見失っているからですよね。

—そこなんです。どうすれば会話の本流を見失わず、仮に途中で支流に逸れてしまっても、うまく本流に戻れるものなんでしょうか?

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シリーズ累計64万部『超一流の雑談力』著者が、「次」の大テーマ「質問力」に挑む!

超一流 できる人の質問力

安田正
マガジンハウス
2017-10-19

この連載について

初回を読む
超一流 できる人の質問力

安田正

私たちの日常会話は「質問」であふれています。「有休とっていいですか?」と、上司にお伺いを立てるのも、「この商品を買ってくれませんか?」と、顧客に営業するのも、「結婚してくれませんか?」と、恋人の気持ちを確かめるのも、すべて質問。「聞き...もっと読む

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maron0529 日本人はナゼ?がニガテって本当そうだと思う。自分に問うことってホント大事。そこに幸福に生きるヒントが全て詰まってると思う。 https://t.co/QOK2FgkwAi 3年弱前 replyretweetfavorite