左から安藤玉恵さん、ペヤンヌマキさん、三浦しをんさん
女優は誰かを眺めて萌える楽しみがない?
—— 安藤さんは何かハマっているものはないんですか?
安藤玉恵(以下、安藤) これまでペヤンヌさんがいろいろなものを勧めてくれたんですけど、まったくどれもハマれなかったんですよね。「メンズ温泉」(メンズがワイワイ温泉に入っているのを眺める番組)も見てられなかったし。
三浦しをん(以下、三浦) えー!! 私「メンズ温泉」大好きで、DVD何度も見てるのに!
ペヤンヌマキ(以下、ペヤンヌ) 女優に「メンズ温泉」をすすめると、大概、興味持たないですね。自分がプレイヤーの人は、何かを眺めて萌えるって行為にはハマらないのかも。
三浦 同業者を見るときは、批評的な観点も当然入ってくるでしょうから、「キャー」とはなりにくいのかもしれないですね。安藤さんは、趣味はないんですか?
安藤 (食い気味に)ないですね。
三浦 これまでの人生で一つも?
安藤 (食い気味に)ない!
三浦 ……人生でハマるものがなんにもないっていうのが本当に不思議で。え、じゃあ毎日、何してるんですか?
安藤 ははは!! 三浦さんは趣味のために4時間睡眠ですもんね。私、飽きないで続いているのは演劇だけなんです。どハマりですね。本を読んだり、映画や演劇を観るのも好きですけど、観るくらいならやっちゃうほう。気に入ったセリフがあったら、そればっかり自分で言ったりしますし。
三浦 なるほど。でもそれ楽しそうですね。「やってみる」という発想は、私の中にはまったくなかったので。
安藤 やってみたいですか?
三浦 (少し考えて)自宅で、ハイロー名ゼリフとか一人で叫びたいですね。
安藤 名ゼリフあるんだ!
三浦 いっぱいありますよ、当然じゃないですか! 「SWORDの祭りは達磨通せやぁ!」とか「喧嘩をするのはまちがってる。だがな、喧嘩をしたいと思う気持ちは……まちがっちゃいない!」とか、ちょっとどうかしてる、もとい、味わい深い名ゼリフのオンパレードですよ!
肉体を鍛えている人たちに対するリスペクト
ペヤンヌ でもさ、ほんと若い頃は男性の筋肉とか興味なかったけど、年をとると急にアスリートに対する尊敬がわきあがってきますね。
安藤 それはちょっと分かる。
三浦 EXILE TRIBEもフィギュアスケートの選手たちも、すごい鍛えてますものね。
ペヤンヌ フィギュアスケートのジャンプって、着地の時に体重の6倍以上の負荷がかかるんですって。だからみんな体重コントロールにすごく気を使うそうです。肉体をストイックに鍛えている人に対するリスペクトみたいなのは、30歳を越えたあたりから急激にわき起こりました。
三浦 ありますね。これまで全く運動せず、できれば死ぬまで運動せずにすませたい身としては、ほんとそういう人たちに対して「ありがたや……」という気持ちがわいてきます。安藤さんは腹筋鍛えたり、トレーニングなさいますか?
安藤 しません(笑)。でも、仕事で痩せろと言われれば痩せます。
三浦 きっと、自分の肉体に無自覚な役者さんはいないでしょうね。
安藤 確かに、そうかもしれませんね。
三浦 普段から家にこもり、誰からも見られず、でれーっと食べたいものを食べたいだけ摂取している身からすると、やっぱり肉体を使って表現している人たちがきらめいて見えるんです。
「女子同士」にはハマったことがない
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