左から安藤玉恵さん、三浦しをんさん、ペヤンヌマキさん
—— 三浦さんはいま、 EXILE TRIBEに夢中だそうですね。三浦さんというと、マンガやBLなどの「文化系オタク」というイメージがありますが、なぜまた肉体系のEXILE TRIBEに……?
三浦しをん(以下、三浦) この夏、友だちに勧められて「HiGH&LOW」の映画を観たらすごくおもしろくてハマっちゃったんです。「HiGH&LOW」……略してハイローって言うんですが、関連DVDとかめっちゃ買いあさってます。この2カ月間で、3代目J Soul Brothersの東京ドームコンサートにも行きましたし、順調にファン活動に邁進していると言えましょう。
ペヤンヌマキ(以下、ペヤンヌ) ハマるスピードと集中力がすごいですね。
三浦 えぇ……自分でも恐ろしいです。そんな感じなので、この2カ月ほとんど毎日4時間睡眠です。早朝からライブDVD見たり、公式サイトをチェックしたり、いろいろしなければならないことがありますからね! 自分が3代目なのかなって思うくらい忙しいです。
ペヤンヌ 安藤玉恵(以下、安藤) あはは(笑)。
三浦 ペヤンヌさんはいま、何にハマっているんですか?
ペヤンヌ 私はフィギュアスケートにハマっています。
三浦 試合も観に行くんですか?
ペヤンヌ はい。4年前ぐらいから試合やアイスショーを生で見るのにハマってます。
安藤 ペヤンヌさん、見るだけじゃ飽き足らなくてスケート教室に通いはじめたもんね(笑)。
ペヤンヌ 試合を見ているうちに、自分も憧れの選手と一緒の動作をしたくなってきて(笑)。スケート靴のエッジに装着するエッジケースを外したりとか、ひとつひとつの動作をなぞりたくなる。ちなみに私、自分が選手たちの仲間になっている夢を見たりもします。
三浦 そうか、夢を見ればいいのか! いいなー。でも、うまく夢を見られたとしても、私の場合、仲間になってるんじゃなくて、外側からこっそり見てる視点が多くなりそうな気がします。
ペヤンヌ 私は、その世界に入りたい願望が強いタイプなんですね。どこかに表舞台に出ることへの憧れもあるのかも……と、今話しながら自覚してきました。
35歳になったあたりから急に年下好きに
三浦 フィギュアにハマったきっかけは何だったんですか?
ペヤンヌ 子どもの頃からなんとなくは好きでしたけど、どハマりしたのは17歳の羽生結弦君の試合をテレビで見てからですね。羽生くんが美しくて、もうずっと見ちゃうみたいな。35歳になったあたりから少年好きになって、羽生君が先なのか、少年好きが先なのかは、もはやちょっと分かんないです(笑)。
安藤 それまではオジさん好きだったのに、急に年下にいきましたよね。
三浦 わかりますよ~それ! 今まで年下にハマることってあんまりなかったので、「3代目のメンバー、余裕で十歳ぐらい年下なのか!」と瞠目しました。
ペヤンヌ あ、「枯れ専」でしたか?
三浦 はい。これまでは、肉体的なエロスを感じるという点では大体、おっさんの腹のたるみとか、ハゲ具合だったんですよ。それがハイローではじめて、鍛えてる人たち、しかも年下の男性たちをいいなと思って。もしかしたらこれって、加齢のせいで、自分にエナジーがなくなってきたから、若さを欲する年代になったのかなって思ったんですよ。
ペヤンヌ うんうん。自分にないものを求める部分はありますね。
三浦 でも、東京ドームコンサートに行って、そんな自分の考えが甘かったことが分かりました。
安藤 えっ? どういうことですか?
三浦 東京ドームコンサートでは、移動式の小さなステージにメンバーが一人ずつ乗って、それぞれがアリーナの外周を回るっていう演出だったんですね。つまり東京ドーム全体が、スゴい高級なネタばかりが回る回転寿司屋さんみたいになるんです。
ペヤンヌ 回転寿司(笑)。
三浦 最初は「ギャー!」と黄色い声を上げてたと思うんですけど、はっと気付いたら私、黙って合掌していました。
ペヤンヌ 安藤 (爆笑)。
三浦 周囲の若いファンの子たちは、元気にかわいくキャーキャー言ってるのに、私はもう輝きを受け止めきれず、「ありがたい仏がどんどん回ってくる」と手を合わせていて……。
ペヤンヌ おばあちゃんが仏様を拝むみたいな(笑)。
三浦 はい。昔の人が仏像を見てひれ伏した思いが心から理解できました。でもその時「こんなのはじめて……!」と思いつつ、「私のなけなしのエナジーが吸い取られている、危険だ!」とも感じて。「ヤバい、これは自分、死んじゃうかもしれん」って覚悟しました。
安藤 エナジーをもらうどころか、興奮しすぎて逆に吸いとられたのか!(笑)。
ペヤンヌ アイスショーもそれに似た興奮と高揚感がありますね。憧れの選手たちが、目の前に回ってきてくれるんです。本当に夢の世界みたいで。
三浦 死んじゃいませんか?
ペヤンヌ 「死ぬ!」ってなります(笑)。
三浦 ですよね! だから、輝く人々に40歳過ぎてハマる際には、生命保険をかけといたほうがいい、とアドバイスしたいです。
もしも憧れの人に会えるとしたら?
ペヤンヌ もし、3代目J Soul Brothersから「三浦さんに会いたい」って話になったら会いますか?
三浦 そんな身の程知らずなことはできないです。
安藤 でも「三浦しをんさんの大ファンです」ってメンバーがいるかも……。
三浦 いないと思います(きっぱり)。
ペヤンヌ 私は結構ミーハーなとこあるから、好きな選手に「会いたい」という気持ちがあるかもしれない……。
安藤 だって町田樹くんに、自分の本を渡したんでしょ? 『たたかえ! ブス魂~コンプレックスとかエロとか三十路とか~』っていうすごいタイトルのやつ。
ペヤンヌ うん……やっぱり変な人って思われたかな。
安藤 100パー思われてるよ! 私それ聞いた時、「やっちゃったな」って思ったもん。
ペヤンヌ あの時は町田くんにハマりすぎて頭がおかしくなって「何かを贈らねば」という使命感があったんですよ。読書好きの町田くんには本がいいかなと思っちゃったりして。でも、やっぱりファンは眺める立場に徹するべきだよね。町田君、今は大学院生だから、プレゼントやファンレターを辞退してるみたいです。
三浦 それ、まさかペヤンヌさんが渡した本がきっかけとかじゃないですよね……?(笑)。
後編「きらめきを発する人と、それを拝んで受けとめる人」は11/25(土)公開予定
構成:川添史子 写真:高橋宗政
★ペヤンヌさんと安藤さんによる舞台「ペヤンヌマキ×安藤玉恵 生誕40周年記念ブス会*『男女逆転版・痴人の愛』」が、2017年12月8日(金)~19日(火)に上演されます。詳しくはコチラ
★ペヤンヌさんも出演! 三浦しをんさんの小説『光』が映画化されます。2017年11月25日(土)公開! 詳しくはコチラ