付加価値をつけてバトンタッチ。ついに売却へ。

15歳で起業した著者が超富裕層になるまでの15年を振り返る『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』特別掲載、第33回。裁判が終わり会社を売却することになりました。M&Aとは単に会社を買って売るという行為ではなく、複雑な背景や醍醐味があります。正田さんが思うM&Aとはどのようなものなのでしょうか。

そして売却へ

 裁判が終わるまで約2年半かかったが、裁判中も不採算事業からの撤退や売却、コスト削減などを推し進めていった。

 その結果、この会社の売り上げは半分にまで減少することになったが、コスト削減と効率化に成功し、コスト削減金額は7000万円を達成、営業利益は5倍に膨れ上がっていた。

 財務状態も健全な企業と呼べるレベルになっており、裁判も終わったため、当初の予定通り、この会社を売却した。売却先は同業他社に決まり、2億円で買った会社は5億円で売却できた。こちらの飲食チェーンは関東圏をメインに展開していたが、相手は関西圏でこちらの1・5倍くらいの規模で展開している会社だった。先方はちょうど関東圏に進出したいと考えていたようで、お互いの思惑がうまく重なった。

 僕の仕事は、M&Aである。どういう仕事かというと、会社を仕入れて、加工して、仕入れ値よりも高い値段で売却する仕事である。そうなると、M&Aの仕事は加工する過程に付加価値が出てくることになる。どのように付加価値を付けるかは、会社によって千差万別である。今回の飲食店のように、抱えている問題を解決することによって非上場株式の流動性を高める付加価値の付け方もあれば、成長過程の会社において資金や成長のためのリソースを提供し、しっかりと成長させることも付加価値の付け方のひとつだ。

 世の中に同じ会社は2つとなく、似ているようでも会社ごとに価値の高め方は異なる。同じ手法で同じ結果が出るものは1つとして存在しない。

 ただ、どのケースでも僕のやり方で共通しているのは、その会社が持っているポテンシャルを最大限引き出すことで会社の価値を高めている、ということだ。

 僕は、飲食業で30年やってきた社長に、飲食業のノウハウで勝てるなんて到底思えない。だから、経営方針や重要なところは極力変えない。その社長の才能が、会社のどこに潜んでいるかを探りながら、その才能をできるだけ引き出すように心がけている。

 この、会社に埋もれている才能を発掘するのは思いのほか難しい。前のオーナーさんからも会社の強みについてはしっかりと説明を受けるのだが、会社の強みというのは1つの要素だけで決まるものではない。

 いくつかの要素や時代背景が複雑に絡み合ってできているため、オーナーさん本人でも気がついていないことは多い。そもそも会社経営は蓋然性の高いものであるため、結果を見ながら理屈を解明しようとしてもうまくいかないものなのだ。

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15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと

正田圭

「僕は、どこにでもいるごく普通の子どもでした。両親はサラリーマンと専業主婦で、自分に特別な才能があったとも思えません」と語る著者、正田圭さん。そんな正田さんの「お金持ちになりたい!」という目覚めから、ついに超富裕層となった今日までの、...もっと読む

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