本格的に投資をしたいと思うので、僕に2億円ほど出資してください。

15歳で起業した著者が超富裕層になるまでの15年を振り返る『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』特別掲載、第5回。資金が底をつき、株取引ができなくなった正田少年。ふたたびA君の家を訪ね、出資を依頼する。金額は2億円。しかし、得た金額は20分の1の1000万円でした。……って、中学生に1000万円出す大人って、本当にいるのですか?!

「2億円出資してください! 」

 お金がなくなり、トレードを続けられなくなった僕は、再びAの親を訪ねた。訪問の理由は、資金提供のお願いをするためだった。

 それまでの期間で僕はさまざまなバックテストを行っていた。それらの結果をしっかりとまとめ、戦略と運用成績について説明をした上で、出資のお願いをするつもりでいた。

 当時の僕は、デイトレードだけでなく、できれば本命の不動産投資にも乗り出したいと考えていた。したがって、株取引のほかに不動産についての本もかなり読んでいた。実際に不動産投資を始めるのであれば、どうしてもAの親に出資をしてもらう必要があった。

 Aの親は、名古屋だけでなく、東京にも家を持っていた。会いたいという申し入れをすると、「じゃあ、東京に来てくれ」と言われ、僕は1人で新幹線に乗って上京した。電車賃がもったいなかったが、出資してもらうことを思えば、出向くほかなかった。

 待ち合わせ場所は、麻布にある懐石料理の店。やってきたのは父親のほうだった。慣れない場所で落ち着かなかったが、一通りの挨拶をすませてしばらく学校の話などをすると、さっそく僕は本題に入った。

「ご相談なんですけど、これから本格的に投資をしたいと思うので、僕に2億円ほど出資してくれませんか?」

 こんな大それたことを、僕はさらりと言ってのけた。

 僕の立てたプランでは、2億円のうち1億5000万円で不動産を買い、そこから入ってくる賃貸収入と、残りの5000万円をデイトレードに回して儲けを出すことを目指していた。不動産投資とデイトレードを組み合わせることによって、リスクを減らすことができるはずだった。

 今考えると、商売の経験がまったくない僕が不動産とデイトレードの2カ所に投資をしようというのだから、リスクを減らすどころか、逆に増えていると突っ込みを入れたいところだが、中3の僕にはそこまで深く考える能力はまだ備わっていなかった。

 僕の話を聞いて、Aの父親は唖然とした顔をした。その表情を見ながら、「2億円ぐらいまとめてもらわないと、資金効率が悪いし、逆にリスクも高くなりますから」と、僕は何食わぬ顔で言い募った。

(何の根拠もなく、でたらめな気持ちで出資してほしいと言っているのではない)

 そんな思いがあったからだった。僕は、まとめてきた戦略や見込まれる運用成績について、できるだけ丁寧に説明することに努めた。

 ずいぶんと長い時間を要したが、おそらく相手はほとんどわかっていなかったと思う。返済見込みについてもしっかりと話したが、相手の反応は鈍かった。一通りの説明が終わったところで、Aの父親が口を開いた。

「いろいろと調べてきてくれたのはわかったけど、不動産投資はまだ早いからやめなさい。ウチはおばあちゃんの代に不動産投資で痛い目を見ていて、不動産投資だけはやらないようにしているんだよ」

 こんなふうに諭されると、僕はそれ以上、言葉を続けることができなかった。

 ただし、まったく出資してくれないというわけではなかった。

「さすがに2億円出すわけにはいかない。その代わり、1000万円出資するから、それでやってみなさい」

 正直言って、1000万円では物足りなく感じたが、まさかお金を出してもらう分際でそんなことが言えるわけはない。僕はありがたく1000万円を受け取ることにした。

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15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと

正田圭

「僕は、どこにでもいるごく普通の子どもでした。両親はサラリーマンと専業主婦で、自分に特別な才能があったとも思えません」と語る著者、正田圭さん。そんな正田さんの「お金持ちになりたい!」という目覚めから、ついに超富裕層となった今日までの、...もっと読む

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ripper0217 怖いもの知らずの中学3年w 3年弱前 replyretweetfavorite