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こんにちは、きのコです。
前回は、私に新しいパートナーができた話をしました。
引き続いて今回は、以前からの私のパートナーであるAさんに、新しいパートナーであるIさんを引き合わせた時のことについて書いてみたいと思います。
まるで両親に紹介する時のようなドキドキ感
その日、私は朝からそわそわと落ち着きませんでした。
「ポリーラウンジ」の開催当日。私が運営の一人として開催している、ポリアモリーに興味がある人たちの交流会です。
Iさんとのお付き合いを始めて間もなく、私は彼をポリーラウンジに誘うことにしたのです。その日の会には、Aさんも参加することになっていました。
複数の恋人とお付き合いするポリアモリーである私にとって、新しい恋人ができた時にいちばんドキドキするイベントが、なんといってもこの「恋人同士の顔合わせ」なのです。モノガミーのお付き合いであれば、恋人を自分の両親に紹介する時のようなドキドキ感、といったところでしょうか。
自分と関わりが深い、いわゆる「身内」の人間同士の顔合わせ。お互いのことを気に入ってくれるだろうか、どんな話をすれば場が和むかな、共通の話題はあるかしら……。ポリアモリーなお付き合いを始めて数年になりますが、何度経験しても、こればかりはなかなか慣れないものです。
じつは、Iさんをポリーラウンジに誘うことについては、若干の不安も感じていました。
私というポリアモリー当事者とお付き合いすることになった彼に、ポリアモリーについてもっと知ってほしい。彼がポリアモリーについてどう考えているのかを知りたい。でも、私自身との恋人としての関係がまだ短いのに、ポリアモリーについてさまざまな意見が交わされるポリーラウンジという場に彼を連れてくるのは、時期尚早だったりしないだろうか。彼が混乱したり、私と付き合うことにプレッシャーを感じたりしないといいのだけれど……。
それに、いち個人でありポリアモリー当事者の一人である私と、ポリーラウンジの運営の一人である私とでは、同じ「きのコ」という人間であっても、微妙にその顔は異なります。
恋人といるときの私は、プライベートな私。ポリーラウンジにいるときの私は、主催という立場もあって、どちらかというとパブリックな私。プライベートな関係である恋人に、パブリックな顔を見せることには、ちょっとくすぐったさもあるのです。
そんなこんなで私の中には、いろんな緊張や不安がまぜこぜに渦巻いていました。
同じテーブルについたAさんとIさん
Iさんは少し早めの時間に、差し入れのクッキーの箱を抱えて来てくれました。
彼がAさんとにこやかに挨拶をしている様子を見て、まずはちょっと安心。他の参加者の皆さんもぞくぞくと到着し、いつものようにポリーラウンジが始まりました。