皇室のもっとも大きな特徴は、「神話の世界にルーツをもち、初代の神武天皇より連綿と続いている世界最古の王朝」だということにあります。「王様」というとイギリス王室やデンマーク王室を思い浮かべるかもしれませんが、日本の二六〇〇年以上という歴史に対し、ヨーロッパ最古にして世界で二番目に古いデンマーク王室でさえ、その歴史は一二〇〇年に満たないものですし、イギリス王室は約九〇〇年、一〇世紀続いていません。「世界最古の王朝」として名前の挙がるエチオピア王室は一九七〇年代にクーデターにより倒れています。
よく「中国四〇〇〇年の歴史」といいます(中国では「いや、五〇〇〇年だ」という人もいるようですが)。世界四大文明発祥の地ですから、長い歴史があることは確かです。しかし、一つの王朝が長く続いたわけではなく、さまざまな王朝が次々に興った歴史です。
皇室が諸外国の王室と大きく異なるのは、「王朝交代がない」ということ。そのため、現在の皇室がそのまま初代に、そして神話の世界になりますが、神にとつながっていくのです。
諸外国の歴史をひもとくと、そこは王朝をめぐる戦いの歴史があり、新たな勢力が勃興し、新たな王朝が次々と誕生したことがわかります。