いまや小学生が脱毛サロンに通っているという事実

小説家の森美樹さんが自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する日々を綴るこの連載。第2回目は「脱毛」についてのお話です。

「何か所、やってますか?」

半個室のカフェにて女子会中、友人A子が切り出した。A子は30代で、絶賛婚活中である。

メンバーは、50代と60代の既婚者が各1名、30代既婚者1名と独身者1名、40代既婚者の私で計5人。独身者はA子ひとりだった。

50代、60代はきょとんとした。30代は目を泳がせた。40代の私は、

「3か所」

平然とこたえた。皆様、何の話題かおわかりでしょうか。出席者全員が薄々勘づいていたと思うけれど、口に出したのは40代の私である。恥じらいと図々しさが半々の世代だからだ(たぶん)。

「ワキと顔とVIO、の3か所」

「やっぱり~、VIOもやってるんですね」

独身者A子は頓狂な声をあげ、慌てて周囲を見渡す。恥じらいが勝つ30代、安心して、ここは半個室よ。

何か所=脱毛の箇所。婚前のたしなみとして、脱毛はどこまでするべきか問いたかったのだろう。

なさすぎてもありすぎても困る

毛。なさすぎてもありすぎても困るもの。女子にいたっては季節によって刈ったり剃ったり抜いたりと、まるで農作業だ。いや、女子だけではない、最近は男子も毛の手入れに余念がない。

以前、新宿2丁目の美容クリニックを訪れたのだが、顧客は男子しかいなかった。各個室からバシュッ! バシュッ! と、なんだか穏やかではない音が響く。看護師にこっそり「何の施術ですか」と尋ねると「脱毛です。すね毛や胸毛や腕毛や下の部分を所望する方が増えています。一番人気は髭です」との回答。ていうかほぼ全身よね。ちなみに私は疲労回復の注射のために通っていた。私のほうが男みたいである。

さて、女子にとって重要なVIO問題。ここでVIOをご存じない方のために説明すると、V=ビキニライン、I=股の間、O=お尻の穴の周りである。たいていの女子は、水着になるのを考慮して、とか、彼に対するマナー、などがきっかけで陰毛のデザインに取りかかるだろう。

一般的には毛のない女子が支持を集めていそうだが(髪と眉は別問題)、世の中にはいろんなフェチがおり、多毛マニアだっている。あたかもターザンのように、密林を探って宝探ししないと奮い立たない男子もいるのだ。女子的にも「デリケートゾーンを守るために存在する大切な毛」という意識を持ち、脱毛をためらう場合があるだろう。かつての私もそうでした。

話を最初に戻そう。婚活女子A子の意見をまとめると、「毛というのはわずらわしいし、夏場は匂いや蒸れが気になる。いい歳して、結婚を前提とした彼に無防備な毛をさらすのは恥ずかしい。でも、下半身丸出しで脱毛に挑むのはもっと恥ずかしい」。

40代でVIO脱毛を経験した私としては「下半身裸でヨガやってると思えばいいよ」。恥じらいより図々しさが勝ってるなぁ。

突如降ってわいたセブ島旅行の準備を兼ね、私はVIO脱毛を決意した。最初は、水着からはみ出ない程度=Vのみにする予定だったが、やはり毛がないほうがスッキリするので、VIO全部を網羅した。ロングヘアの女子が「一度切ったら爽快で、もっと切りたくなった」とショートヘアにしていくのと似ている。念のため、私は丸ボーズではなくシャギーを入れたミディアムヘアです(※下の毛の話)。

小学生がVIO脱毛をする理由
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アラフィフ作家の迷走性活

森美樹

小説家の森美樹さんは、取材や趣味の場で、性のプロフェッショナルや性への探究心が強い方からさまざまな話を聞くのだそう。森さん自身も20代の頃から性的な縁に事欠かない人生でした。47歳の今、自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する...もっと読む

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thinktink_jp "「最近は、小学生がVIO脱毛にいらっしゃるんです」 この事実である。 最近の小学生は発育がいい、でもまさかVIO脱毛までやる..." https://t.co/uR75omVwyJ https://t.co/Bw05F2uhrV #drip_app 3年弱前 replyretweetfavorite

syoujinkankyo いっそスクール水着のデザインを変えたら良いのでは… 3年弱前 replyretweetfavorite