女の人は言葉を欲しがるけど、
男の誠実は言葉はないのよ。
この頃は結婚したがらない男の人が増えているみたいですね。独りでいる方が楽な人生やったら、結婚なんてややこしいもの、したいと思わないかもしれません。
昔は「結婚というのはこうあるべきもの」「妻子にはこうすべき」というのが世間にちゃんとあったけど、今は人それぞれ。「各人の自主性におまかせします」ってことになってしまったから大変です。
だからと言って、結婚しないままいつまでものらりくらりとつきあっているだけでは女の人が困りますよね。こういうとき、男の人はよく言うんですよ。
「俺にも事情がある」
男の常套句ってヤツです。
敵もさるもの。いちいち言い訳するのもうっとおしいから、まずは逃げの一手に出る。逃してなるかと、さらに追いつめると「今、考えてる」。こうくる。これはもう、あかんと思う。今できないことが一体いつ出来ると言うのか。絶対に出来ない。こんな人とずるずるつきあっていたら、しまいには女の子の方がどうにかなってしまうわ。
どんなに惚れた相手でも「待つ女」になったら、男にとっては重たくなる。女の方もそんな男に対してだんだんと愛情もうつろい、冷めていくのではないかしら。
私の小説『愛の幻滅』でも、主人公の眉子が言ってます。
「なんぼやさしィてもだめです。そんなんが百あつまったって、誠実になりません!」
妻子ある男性と「いいときにしか会わない」関係を続けてきたけれど、だんだん、それもつらくなってしまったというわけ。
待つ身はいつだってせつない。そしてどんなに用心深くふるまっていたとしても、そのぶん深いところで傷ついてるものです。そういう人につかまってしまったら、女の人はここらでバーンと切るかどうか、退きどき、潮どきを……考えないと。
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