京都、朝あるき 秋

京都、朝あるき 秋の大覚寺で、心静かに写仏の筆を運ぶ。

今回も、ことり会著の『京都、朝あるき』から、秋の京都を堪能する極上プランをご紹介します。まずは、嵯峨嵐山の名刹、大覚寺で朝の9時から行われている「写仏体験」を著者たちが体験リポート。さらには、大覚寺の「観月の夕べ」や、紅葉を満喫できる夜間拝観「真紅の水鏡」など、秋限定の特別プランをご紹介します。京都在住の三人だからこそ知る、嵐山周辺のお薦めショップ&スポットもあわせて教えちゃいます!

写仏@大覚寺 心静かに筆を運ぶ

仕事や家事に追われ、忙しない日々を過ごすうち、なんだか大切なものを見落としたり、大事な時間を蔑ないがしろにしたりしていませんか。そんな自分に気づいたら、写仏を通して己と向き合い、一味違ったリフレッシュの時間を持つのもいいかもしれません。

嵯峨(さが)天皇の離宮として建立された大覚寺は、旧嵯峨御所の名に相応しい1200有余年もの歴史を誇り、今なお平安初期の風情を色濃く残す門跡(もんぜき)寺院。明治初頭までは天皇もしくは皇統の方が 代々の門跡(住職)を務め、いけばな発祥の寺としても親しまれてきました。豊かな自然が広がる中、電柱や電線など近代的なものを目にすることなく、そこかしこに王朝浪漫が見られる類稀な場 所として、時代劇やドラマ、CMなどのロケ地としても有名です。

そんなゆるやかに時が流れる場所で朝9時から体験できる写仏は、仏画を描くための白描図(はくびょうず、彩色を伴わない墨線だけの下絵)を写していくという行。白描図の上に薄い和紙を重ねて、仏さまの 姿を写し取っていく作業は単純であるがゆえに夢中になり、気づけば清浄さの中で穏やかな心持ちに。あらかじめ描かれた線を継いでいくだけなので、絵が苦手でも問題ありません。1時間ほどで完成させることができます。自然と一体化する坐禅や、文字の羅列を追う写経と違って、雑念に気を取られることなく集中できました。

出来上がったら願い事と住所・名前を書き入れて、お線香を上げてから木箱へ奉納。ことり会では、皆の健康とこの本が無事に発刊されることを祈願してきました。とはいえ、願い事はおまけのようなもので、大事なのは己の心に静けさを取り戻すことですね。



観月の夕べ

秋の大覚寺は朝だけではありません。中秋の名月の時期には、空と池にぽっかりと浮かぶ2つの光輝を同時に愛でることができる「観月の夕べ」 が催されます。

これは、嵯峨天皇が大沢池に舟を浮かべ、貴人たちと遊んだという伝承に端を発した行事で、池の畔からだけでなく、池をゆく龍頭鷁首(りょうとうげきす)舟からもお月見が愉しめ、気分はまさに平安のお姫様さながら。枯れた蓮を搔き分けながら進む舟の揺れに身をゆだね、辺りを照らす満月を見上げる稀少な ひととき。いつも頭上にある月に想いを馳せる中で、ほんの束の間、日々の瑣末なことや仕事の疲れ、ままならない理不尽さなんかをも忘れられるとしたら、一度体験してみても損はないのでは。

当日は、農作物の豊作と人々の幸福を祈願する 満月法会(ほうえ) をはじめとする催事も行われます。オリジナル菓子がいただける茶席にもお立ち寄りを。

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心静かな「朝京都」の愉しみ。選りすぐりのスポットを四季に分けてたっぷり紹介!

京都、朝あるき

ことり会
扶桑社
2017-10-06

この連載について

初回を読む
京都、朝あるき 秋

山田涼子(ことり会) /辻ヒロミ(ことり会) /江角悠子(ことり会)

心静かな朝京都の愉しみ方を、京都在住女性トリオの「ことり会」がご紹介します。 近年では「朝活」といった言葉が定着し、旅先での朝を気持ちよくすごす提案も増えてきました。寺社仏閣の多い京都の朝は早い。だからこそ、いつもより早起きして朝から...もっと読む

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