私たちはなぜ祭りが苦手なのか
みなさんの中には、学園祭はおろか、そもそも祭りが苦手って人も多いと思います。私も小さい頃から祭りという祭りが苦手で、御神輿なんて担ぎたくないし、フェスとかもほとんど参加したことないし、学園祭にも思い出したくないトラウマがいくつもあります。
じゃあ参加しなければいいのでは?という話なんですが、祭りというのはスルーするのが難しいイベントでもあります。無関心を装っても視界に入ってきちゃうし、楽しまないと何か損してるような気分にもなる……なかなか厄介ですね。
なぜ祭りが苦手なのか、考えてみるといくつか要因が思い浮かびます。まずは「自意識過剰」で、このタイプの人間は自分をうまく解放できないし、浮かれてる姿を人に見られることに極度の恥ずかしさを感じます。
また、「ハイテンションの人が怖い」というのもあるでしょう。人は祭りになると、なぜか性格が荒っぽくなったり、話が通じなくなったりします。私は高校生のとき、普段は内向的で穏やかな性格の友人が文化祭でヘッドバンキングしているところを目撃し、恐怖におののいたことがあります。めっちゃ頭振ってました。メガネも壊れそうになっていました。
さらに、「どう振る舞っていいかわからない」という悩みもあると思います。音痴の人がうまくリズムに乗れないように、運動神経の悪い人が大縄飛びに入れないように、祭りが苦手な人間はノリや作法がわからず、その空気の中に入っていくことができない。やろうと思ってもできないわけで、なかなか悩ましい問題です。
いかがでしょうか。祭りが苦手な人には、おそらくこのような要因を抱えているのではないかと考えます。私はこんな感じで祭りが苦手だったわけですが、不幸なことに地元が東京の下町・北千住という祭りの盛んな地域だったため、小さな頃は「ワッショイ!」と叫ぶ度に猛烈な恥ずかしさに襲われていました。中学生のときは、地元の祭りで好きだった女の子がヤンキーグループの男子と歩いているところを見てしまい、屋台で買ったフランクフルトを落としました。さらに大学生のときは、サークルの学園祭担当に任命されたものの、エントリーの申込書を期限内に提出し忘れ、その年の学園祭に参加できないという不幸に見舞われました(これは完全に俺が悪い)。自分は祭りの神様に愛されていない人間だなと、つくづく思います。
ハロウィン・ブームで気づいた祭りの本質
しかし、大人になってその考えに少し変化がありました。きっかけは、ここ数年ですっかり秋の風物詩となったハロウィンでした。
このイベントもご多分に漏れず超苦手で、「宗教的な背景もないくせに、日本人がハロウィンだなんておかしくね?」などと負け犬根性を剥き出しにしていたわけですが、思い思いの姿で街を練り歩く人々を見て、何となく祭りの本質がわかったような気がしたのです。