恋ができない若者たち 〜半径1メートルの他人が見えない世代〜

前回、日本人がいま一番恐ろしいと感じているのは、「一人ぼっちになること」なのではないかと考えた中村さん。その寂しさを紛らわす手段として、SNSはとても有効です。しかし、それがオフラインでの人間関係の構築を、阻害している場合もあるかもしれません。

ネットで手軽な寂しさをまぎらわす弊害

前回のパリジャン十色では、私たちが今一番恐れているのは「一人ぼっちになること」なんじゃないかというお話をしました。

しかし、ひとりぼっちが怖いからといって、他人と一緒に時間や空間をシェアするのも、非常に面倒でややこしい。それは友人はもちろん、結婚しているパートナー相手ですらそうだということを、前回、私の体験を通して紹介させてもらいました。

他人とつながるのはとても面倒だけれど、ひとりぼっちは寂しい。そんな矛盾を解決して、お気軽に他人とつながれる便利な道具が、SNS。今や使っていない人の方が珍しいほど、FacebookやTwitterをたくさんの人が、あたりまえに利用していますよね。

ところが、こうしたツールでお気軽に他人とつながることに慣れてくると、リアルで他人と深く関わることが、さらに面倒くさくなるといった弊害も当然でてきます。特に、他人と傷つけあったり修復したりといった深い関係を未経験の若い人たちの間では、リアルな人間とのコミュニケーションに欠陥が出てきているそうです。

今回は、その一例を紹介してみたいと思います。これは、日本の大学の先生から聞いた、最近の大学生に起きているコミュニケーション態度の変化についてです。

授業のプリントが行き渡らない!?

それは、先生が授業の始めに、生徒たちに資料を配る時のこと。先生が教室の最前列に座っている生徒たちに、プリント資料の束を渡して、それを後ろにいる生徒たちにまわすというのは、どんな学校のどんな授業でも見られる光景です。

ところが、ここ数年は、いつまでたってもその資料が後ろにいる生徒たちまで行き届かないという事態がよく起きているというのです。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
パリジャン十色

中村綾花

“花の都”と称され、雑誌やテレビでもその優雅なイメージが特集されることの多い、フランスの首都・パリ。パンやスイーツはおいしいし、ファッションは最先端だし、歴史ある建物たちも美しいし、住んでいる人もおしゃれな人ばかり……と思いきや、パリ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

teru03 若者に限ったことではないけど、街や電車で、ああ、この人にはボクは見えてないんだな、と感じることが多くはなった。→ 10日前 replyretweetfavorite

nekogata_you9 わりとリアルな話。自分自身がそうだから。 11日前 replyretweetfavorite

restart20141201 "LINEでつながる友人のことは見えても、同じ教室、半径1メートル以内にいる同級生のことは見えてない。" 11日前 replyretweetfavorite

moxcha なんかもう一歩現象に向き合ってほしかったなー。少し、上っ面だけ見て勝手に判断してる感。 12日前 replyretweetfavorite