質問がヘタな人がハマる「余計なひとこと」の落とし穴

質問を制する者は人生を制す――その極意を、“お悩み”別にビジネスコミュニケーションの達人が解き明かす連載の第6回。相手のミスや問題点を指摘したとき、相手がキョドったり言い訳したりするのはまだマシなほうで、場合によってはあなたを“攻撃”してくることも。今回は、相手の余計な反撃に遭わないための注意点を学びます。

部下を叱るつもりが
“ブーメラン”でやり込められた!

 連載第4回でお話しした、相手が「叱られた」と感じるような質問は、ともすれば「ブーメラン」になって質問した側に返ってくることがあります。
 例えばこんなシチュエーションを想像してみてください。

あなた  お前さ、最近ちょっとたるんでるんじゃないか? 皆そう言ってるぜ
後輩くん「そうですか。ちなみに皆って誰ですか?」
あなた  「ええとまぁ、少なくともおれはそう思ってるってこと」
後輩くん「つまり、先輩だけってことですね?」
あなた  「……」

 後輩くんを叱るつもりだったのに、逆に相手から質問返しのブーメランをくらって、すっかりやり込められてしまったあなた。
 どうすれば相手に素直に聞いてもらえるのでしょう?

自分の質問を
むりやり正当化していませんか?

 冒頭の例のように、相手から質問返しのブーメランを食らってしまう質問には、ある共通点があります。
 それは「自分の質問を正当化しようとしている」ところ。
 冒頭の例で言えば、「皆そう言ってるぜ」と、わざわざ付け加えているところです。
 この部分は、本当に必要なのでしょうか?

 「皆がそう言ってるぜ」と付け加えることで、「最近ちょっとたるんでるんじゃないか?」という質問は、一見、説得力を増すように思えます。
 しかし実際には、この相手を非難するような余計な部分が加わったことで、相手に「論破」されるリスクも高まっています
 例えばこんな感じです。

あなた  「 お前さ、最近ちょっとたるんでるんじゃないか? どうして田中みたいにちゃんとやれないんだ?」
後輩くん
「 だって、田中さんとぼくじゃキャリアが違いますよね?(はい論破)」

 「どうして田中みたいにちゃんとやれないんだ?」という部分は、明らかに質問を正当化するために挿入されたものです。
 このように自分の質問を正当化するために、「身近な例」を比較対象として持ち出す人は非常に多いのですが、これはとても危険なことなんです。

「北風と太陽作戦」で、じんわり相手を動かそう

 自分の質問を正当化しようとすると、「質問」が立ちどころに「主張」に変わってしまいます。

 私はつねづね、「主張」と「質問」では、質問のほうが人を動かす強い力を持っていると感じています。
 環境保護を訴えるミュージシャンや宗教家たちも、声高に主張をするのではなく、「このまま木を切り続けて大丈夫なのでしょうか?」といった「質問」を発信することで、世の中の人々に影響を与えていますよね。
 問われることで、人々は動くものなのです。

 「北風と太陽」の寓話でたとえて言うなら、むりやり人を動かそうとする北風が「主張」で、じんわり人を動かす太陽が「質問」。
 このふたつを混同してはいけません。

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超一流 できる人の質問力

安田正
マガジンハウス
2017-10-19

この連載について

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超一流 できる人の質問力

安田正

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kuma_kuma もしかすると人狼ゲームにも有効かも? https://t.co/jN1VWnIRvn 3年弱前 replyretweetfavorite